2022.06.02

サスティナブルな5つの行動-➁-

未晒し蜜ロウワックスの原料は、蜜ロウとエゴマ油だけでつくります。シンプル。だから、原料の品質が大切です。


しかし、自然素材は工業製品と異なり、毎年同じような原料が調達できるとは限りません。特にここ10年、自然災害が多発し、安定的に原料を調達するのが困難な状況です。


ある意味、


誤魔化しのきかない商品を、安定的にお客様へ供給するという点が、この商品の一番の特徴になります。 まずは原料の一つ「未晒し蜜ロウ」の説明をさせていただきます。

原料の「蜜ロウ」は良質なものを選ぶ


「蜜ロウ」とは、ミツバチがハチミツを食べた後に、体内から分泌したロウを指します。体内から分泌してくれる訳ですから、日々、ミツバチの健康管理に勤しむ中村養蜂所のお陰で安定的に良質な蜜ロウがとれるという訳です。 「未晒し蜜ロウ」とは、薬品などで精製しない蜜ロウをさします。蜜ロウには細かい汚れがありますので、薬品で精製することにより細かい汚れは溶け、製造の手間は激減します。小川社では、製造過程でも環境に負荷をかけない方法を選択しているため、蜜ロウを湯煎し晒し布でゴミをとるという方法を繰り返します。   

養蜂のプロが「蜜ロウ」の品質チェック


未晒し蜜ロウワックスにつかう「蜜ロウ」は、養蜂のプロである中村養蜂所が良質な蜜ロウを集め、


・新鮮さ
・色
・香り
・粘度など

品質をチェックします 。
この商品は製造過程の温度管理に一番神経を使っています。同じ原料を使っても、ちょっとの温度の差で仕上がりがまったく変わります。長年製造していく過程で培われた勘が大切です 。
(製造担当 中村養蜂所 中村誠一) 
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動画:「原料」へのこだわり
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食品としても使われるエゴマ油の品質


もう一つの原料「エゴマ油」は、油一筋老舗の会社へ製造をお願いしています。


エゴマ油は食品用として製造されている為、非常に厳しい基準を設け良質で安全な原料を使っています。搾油にむいているエゴマ種は、実がついてから一週間以内に収穫しないと油に適した種子が採れません。その時期に雨がふると収穫量が減ることもあります。



エゴマは 病害虫対策や生育促進といった効果が見られるコンパニオンプランツとして作付けされることが多く、独自のニオイにより作物を守る優秀な植物です。

養蜂家の閉散期に製造をする


未晒し蜜ロウワックスの製造は、養蜂家の年間スケジュールを把握し、閑散期に製造できるよう小ロット生産でスケジュールを組み、持続可能な製造体制を心がけています。製造管理は小川社の藤井が担当しています。
可能な限り今の製造体制を続けていきたいと思います。どんな状況下でも一番良いものにもっていくのが腕の見せ所です。(製造管理担当 小川耕太郎∞百合子社 藤井)

メディアによる影響


ありがたいことに、未晒し蜜ロウワックスは、建築系雑誌だけに限らず、ライフスタイル雑誌、環境系雑誌やDIY番組など多種多様なメディアに取り上げられた影響により、自然塗料の認知度があがり、塗料の選択肢が増えました。


また、最近では「私もできるだけ自然素材の塗料を選ぼう!」「私も地方や過疎地で持続可能な事業をはじめたい!」と思い立つ人が増えています。立場や年齢、事業形態や国を超えて、そのような仲間が増えることはとても嬉しいことです。



エシカルな買い物


最近、10~30代を中心に「エシカルな買い物」という行動が注目されています。若い世代の価値の一つが「関わり」です。


買い物は消費ではなく、自分もサスティナブルな社会に参加するといった意識が在ります。私たちの時代では、そのような価値観を持つ人は一部でしたが、メディアや教育の影響もあり、そのような価値観に共感をもつ間口が拡がったとも思います。今では10代~30代のアンテナから学ぶことの方が多くなりました。


お客様と共に社会の流れを創造し共感していくのも、事業所の社会的役割だと思います。(文:小川百合子)
文:小川百合子
小川耕太郎∞百合子社代取締役。 主な仕事は持続可能な商品の一般化のためのPR。 地域の生物資源と産業と自然が循環できる持続可能な商品づくりを目指す。  

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