2023.04.24
[Vol.2]地域材の外壁にウッドロングエコを塗る
インタビュー:株式会社パトラック/一級建築士 安宅研太郎さん
前回のBLOGでは、他者と混じるあうところに生み出されるほどよい繋がりを生む総合在宅医療クリニックの設計についてお話させていただきました。安宅さんの設計する建物はまちの風景と溶け込む外観が特徴です。VOL.2では、外観の経年についてお話を伺いました。
地域材×ウッドロングエコ を試す
地域材を使用するようになり、弊社の外壁塗料「ウッドロングエコ」やウッドロングエコを塗布した「木もちe外壁」「木もちeデッキ」にも興味をもった株式会社パトラックの安宅(以下 略アタカ)さん。
アタカさん)
秋田の建築士・西方さんにの作品を雑誌などで拝見して、西方さんがウッドロングエコをされていることに以前から注目していました。
僕が初めて使用したのは『かがやきロッジ(岐阜県)』の外壁ですね。ここの外壁は『木もちe外壁』です。最初は木曽のヒノキや飛騨の杉にウッドロングエコの塗ろうかと考えていたのですが、外壁に適した赤身材を揃えるのは大変だということで、小川さんのところで揃える方が確かだろうということに。
三重も岐阜も東海地方だし、広くとらえればこれも地域材かなと。
自分で赤身材を仕入れてウッドロングエコを塗るよりも『木もちe外壁』の方が安かったというのもあります。また施工業者も杉材を外壁に使用するのが初めてだったということもあり、あらかじめ外壁材として売られている材を使用した方がいろいろ良いかなと思いました。
アタカさん)
その後に建てた『ほっちのロッヂ(長野県)』では、現場で地元のカラマツ材にウッドロングエコを塗りました。塗装してくれた業者さんが軽井沢の他の物件でも塗ったことがあるとのことで、ウッドロングエコ特有の色変化もよくご存知でスムーズにいきましたね。
手を入れ、長く使う
だんだん味がでてくる
アタカさん)
木材を使った外装は、傷んだ部分をその都度張り替えながら長く使っていけるのが良いところですね。そのためにはメンテナンス期間が長いウッドロングエコの塗装が良いと思いました。
それまでも外壁に杉などを張り、他社の防腐剤や外壁用塗料を塗っていたのですが、すぐに色褪せてきたり塗り直しが必要になったり。クリア系は劣化したところから木が変色してきたりして、きれいな経過をたどらないな、と思っていたんです。
傷まないで長くもってくれれば、木はだんだんと味がでてきて良いのではないか、ということをまず考えるようになって。そこでウッドロングエコにたどり着きました。
200年もつ建物をつくりたい、と言われて。
アタカさん)
最初に『木もちe外壁』を使った『かがやきロッジ(岐阜県)』では、施主の医院長に『200年もつ建物をつくりたい』と言われまして。
『ヨーロッパだと普通に200年くらい住み続けてる、最初に建てた人がコストを払ったら、その後の人はコストを払わずにみんな楽しく暮らせるんだ』とも言ってて。
日本で200年前というと、今僕が保存活動に関わっている岩手県遠野の民家で約180年ですね。
ヨーロッパの石造りとは違って、木造はそのままでは残らないから、ある程度木を交換しながら持たせよう。その交換のサイクルをどう長くしていくかを考える必要がある。
例えば漁村の建物って杉板そのままの、いつの時代のものだろうという板材がそのまま残ってたりする。そういうものをよく見かけていたので、木の状態が良ければ古びながらも長くもつものができればよいなと。
木材にウッドロングエコを塗って、どのくらいメンテナンスサイクルが長くなるかは、環境やその木の性質などいろんな条件しだいなんでしょうけれど、ある程度は長くもつんじゃないかなと思って使っています。建ててからそんなに経っていないので、結果はまだわからないんですけどね。
つづく
インタビュアー・文:速水 貴子
【ウッドロングエコ×地域材】をコンセプトとした、インタビューBLOG「ウッドロングエコと人」はこちらからご覧ください。
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