2019.01.30

2020年オリンピック開催にあたり、インバウンド需要を考える。ーーモクコレ2019展示物制作のおはなし VOL.2ーー

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本物の無垢材を評価する動きがでているのでしょうか?正月の住宅大手のテレビCMではムクの内装材を全面にPRした宣伝がありました。また、東京都木材団体連合会の渡辺昭会長は「内装材を石油由来の化学製品であるクロス→ムクの木材に転換すべく、業界が一丸となって取り組もう」と訴えられています。東京オリンピックに向けて、インバウンド需要の対応として国産材のムクの需要促進の動きが加速しているようです(資料:日刊木材新聞より)

 

ここで心掛けたい点が2点あります。

一つは、施主様にとって「安全なムクのフローリングを提供する」という点です。施主様にとってはフローリングを張った状態で=安全or環境に配慮した商品を選択したと思われています。例えばフローリングの上に塗る塗料の選択ひとつとっても、木材塗料は石油由来の塗料だけでなく、自然塗料と呼ばれているものも重金属がはいっている製品もあります。また、フローリングを張る際に接着剤を選択することも大切かと思います。もっとも、そこまでこだわらなくても良いという考え方もございますが、消費者にとっては、自分達に関連するものだけの安全提示は通用しないのです。


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二つ目は、実際にムクのフローリングをお使いいただいた施主様の本音を拾う作業です自然塗料はムクの経年を愉しめるという良い面もありますが、経年美にたどり着くまでは「汚い」「化学塗料仕上げの方が良かった」「合板フローリングの方が楽」といった声も多く聞きます。

 

ムク材またはムク材+自然塗料を塗布したフローリングは、自然の原料のため生活していくなかで「酸性(雨ジミ)」「アルカリ性(ペットの尿、ビールのシミ」などの影響によりシミになることがあります。それらの汚れは雑巾で拭いてとれません。 


そこで、1999年より「アルカリ水と蜜ロウとエゴマ油」だけでつくったクリーナーワックス の商品開発に取り組みました。

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このミストデワックスで、雑巾でふいても取れない汚れをお掃除すると、、、

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ミストデワックスにつかわれる「アルカリ水」が上の写真のようなシミをするっと落とします。(詳細は電子カタログをごらんください。)

でも、、、、
なぜ、アルカリ性なのにムク材が変色しないのでしょうか?

中高校生の化学の授業で、、、「水は本来中性に戻ろうとする性質がある」という内容覚えていませんか?希釈したミストデワックスはアルカリ性ですが、汚れと混ざるとすぐに中性へ戻ります。「アルカリ水」は沢山のメーカーから販売されていますが、汚れと混じってもすぐに中性に戻らない場合は、すこし疑問に思った方が良いかもしれません。なぜなら、例え、微量でもアルカリ剤を添加すると、すぐに中性にもどらないことが多いため、ムク材につかう場合は変色することがあるからです。


また、ナチュラルクリーニングを好む方が「重曹水」を使用して無垢のフローリングをお掃除したら、シミになってしまったという話をよく聞きます。これはすぐに中性に戻らないためできたシミです。(合板やプラスティック製品などは重曹などで掃除しても大丈夫かと思います♪)

 

現在は、自然素材とのつきあい方の知恵が希薄なっているため、ムクのフローリングが一般のご家庭でもカンタンにメンテナンスができれば、長い目で見れば無垢材のファンを増やす事ではないでしょうか?

 

で す が、、、

ムクのフローリングは、工業製品ではないため産地によっても樹種によっても成分が一定というわけではありません。テーブルテスト(商品テストとしての試験)と現場では違う結果がでることもあります。

fb.jpgのサムネール画像

そこで、2年前にいろいろなお宅にご協力いただき、沢山の汚れをミストデワックスで落とすという商品テストをさせていただきました。その結果、ミストデワックスはすぐに中性へ戻ることが実証されました。

 

この結果をまとめ、第三研究機関に商品テストを依頼し、現在の住いに使われている様々な建材についた汚れにミストデワックス(10倍希釈)を吹きかけお掃除した結果、変色がないかテストしていただきました。

結果は上場↑。


ムク材以外にも一般の家具などにもつかえることが実証されました。

 

 

 

 

 mokukore01.jpgのサムネール画像

話しが長くなり失礼しました(^_^;)
さて、本題です
今回のモクコレ2019では、「地域のムク材が評価され都市でつかわれる時代へ
」というテーマです。小川耕太郎∞百合子社では、ムク材をつかうお客様へ安全で気軽なメンテナンスを提示することにいたしました。

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▲イベント用に「ムク材にあるある落ちない汚れ」のビフォーアフターのチラシもつくりました。


ムク材は味わい深い経年になり、消費者の満足度がアップする建材だと思います。地域材促進とともに、ムクのお手入れのコツが認知されればと更に拡がると考えています。小川耕太郎∞百合子社ならではの切り口を模索し、石油由来の内装材→地域材へシフトしていけるよう頑張っております。

これらのメンテナンス方法を資料収集をするにあたり、ご協力いただいた皆様に心より感謝を申し上げます。

また、ご多忙の中モクコレ2019に足を運んでいただいた皆様との出逢いに感謝を申し上げます。ありがとうございました。 文:小川百合子

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