2014.09.07
リフォーム産業新聞 2007年3月13日付 No.772 しぜんな自然派家造り 第7回(続)屋根に特化した工務店編(執筆)
「リフォーム産業新聞」に、小川耕太郎が親しくしている自然派の家造りを手がける工務店やメーカーを取材し執筆した『しぜんな自然派家造り』を2006年9月から月一回にわたり10回連載。リフォーム産業新聞 2007年3月13日付 No.772
●しぜんな自然派家造り 第7回(続)屋根に特化した工務店編
1日に3回の訪問で丁寧な現場管理
(前回までのあらすじ)
横浜市金沢文庫に創業24年の「トンカチ」という名前の小さなホームセンターがある。責任者、根岸由民さんは「トンカチ」のリフォーム部門として「根岸小屋」というリフォーム相談室を受けた。相談を受付、受注した仕事は根岸さんが責任施工するというシステムだ。しかし受注はなかなかとれない。そこで根岸さんは高級住宅街が多いという金沢文庫周辺の住宅事情を踏まえて、屋根に特化することを決意した。
戦術
手書きのチラシを
(1)店頭でターゲット年齢の人に手配り。
(2)ターゲット住宅へのポスティング。
(3)親切、丁寧な現場管理。工事中は1日に3回は必ず現場に行く。
(4)写真。工事の順を追って、写真を撮り、完成後、その写真を額縁に入れ保証書と一緒に進呈。
以上のことを来る日も来る日もやり続けてみると、月間1000万円程度の受注がコンスタントに取れるようになってきた。屋根に特化しているにもかかわらず、仕事振りや評判を聞いて、外溝や水周りのリフォームも頼まれるようになってきた。これぞ、地域密着型リフォーム事業の典型といえるのではないだろうか。
ここまで読まれて、俺だって同じようにやってきたという方がいらっしゃるのではないだろうか?リフォーム業から会社を立ち上げた方は、多かれ少なかれ同じような苦労をされたはずだ。そう特別なことでもないかもしれない。私事ながら「蜜ロウワックス」の販売も同じように、リュックサックにサンプルを詰め、両手に唐草模様の風呂敷包みを提げて工務店さんを歩き周り、売上げを伸ばしてきた。
その時のことを心に刻んでいれば、怖いことなど何も無い。新しいことにチャレンジしようとするとき、何だってやり通してやると思えるのだ。何年かぶりに根岸さんに会い、その仕事振りを聞き、少ない時間を見つけては「根岸小屋」に戻りチラシを抱えてポスティングに向かう姿を拝見して、改めてそう思った。