2022.04.02
URBAN OLE ECOPARK の手作りキットで木工の楽しさを知る
前回のブログで、木工の雑貨などを展開する URBAN OLE ECOPARK の元家さんに色々とお話しを伺い、益々興味が湧いた手作りキット。これは自分でも作るしかない!と、実際にスプーン作りにチャレンジしてみることにしました。
今回取り寄せたのは、スプーン手作りキット。素材は比較的柔らかいヒノキなので、初心者でも扱い易いのだと教えていただきました。
こちらが実際に届いた SPOON WHITTLING DIY KIT スプーン手作りキットです。
紙に包まれ、紐で閉じられたあたたかみのあるパッケージを開くと、これから私のスプーンになる木の塊…。この時点でかなりグッときています。
中身はこんな感じ。木を削る道具は手持ちのカッターや小刀を使います。
■スプーン:ヒノキ材 (H20cm×W4cm)
■サンドペーパー NO-150, 240, 400
■仕上げ用 未晒し蜜ロウワックス
■クロス 2枚
早速つくってみよう!
まずは自分の好きな形に下書きをします。初めてなのでオーソドックスなものを…とこんな風に書いてみました。私の場合は最終的にはバランスを見ながら削って結局下書き通りにはならなかったので(スキルの問題もありますが、、)大体こんな感じ?という書き方で良いかもしれません。
小刀を使い慣れていない場合はカッターの方が削り易いとのこと。本当にこんなカッターで木が削れるんだろうか…?と半信半疑ながら、家にあった安物のカッターを準備しました。
早速削ってみます。
まずは、おぉ…削れる!という感動。
…ですが、よく考えてみたら鉛筆をカッターで削るのと同じことなので、当たり前といえば当たり前です。自分の思考の幅の狭さに逆にびっくりするという。
ちなみに気になって調べてみたところ、鉛筆に使われている木はインセンスシダーという北米産・ヒノキ科の木を使っているそうです。なるほど。
そういえば尾鷲に引っ越してくるまでは
木 = 家具や建築に使われる = 全部硬い
という単純かつ誤った知識しかなく、スギやヒノキは柔らかい木だと聞かされても、木が柔らかいとは…???と理解できなかったことを思い出します。
木によって特徴も様々で、URBAN OLE ECOPARK でも商品によって木を使い分けているそうです。
実際に触って削ってみると、思いのほかカッターの刃が深く入ってしまうこともあるし、硬いものにぶつけたら凹んでしまうしで、ヒノキの「柔らかさ」を実感します。
スッと滑らかに刃が進む部分があれば、木目に逆らえば削りにくいし、木目が詰まっているところは他より硬くてこれも削りにくければ、筋に刃が入るとそのままペリペリとめくれてしまうこともあるし。手を動かしながら気が付くことが多くて、そして少しずつコツもつかんで、気が付くと夢中で削っていました。
なかなかまとまった時間がとれないので毎日少しずつ削ります。これが1日の終わりの癒しの時間になっていたり。
柄の部分をしっかり削るとなんだか益々それっぽい!削るのが楽しくて止め時がわからなくなっていますが、もう少しだけ削って良しとしましょう。
はじめは少しずつ捨てていた削りカスも、なんだかかわいく思えてきてためておきました。こんなに削ったのかという感慨に浸れます。
三種類のサンドペーパーで磨く
こんなもんかな?というところでカッターを置いて、やすりがけの作業に入ります。NO-150, 240, 400の三種類のサンドペーパーがセットに含まれているので、一番目の粗い150番から使います。
「ざらつきやデコボコがなくなるまで」という説明通りに150番で磨いていくと、思った以上につるりと仕上がりこれもびっくり。カッターで削ったあとは刃の後が無数についていましたが、ほとんど気にならないところまでなくすことができました。
さらに240番で磨いて…
最後は400番で。見た目にはそれほど変化がありませんが、ここまで磨くと手触りがかなり変わります。すべすべ〜
仕上げは小川社の未晒し蜜ロウワックスで
満足いくまで磨きをかけたので、いよいよ仕上げの段階に。手作りキットに含まれている未晒し蜜ロウワックスを、専用のクロスを使って塗り込みます。
上の方は蜜ロウワックスを塗った部分、下はまだ塗っていない部分です。色に深みが出て木目がくっきりとし、ツヤも出ました。塗り終わってから半日〜1日ほど乾燥させます。
ついに完成!
じゃーん!ついに完成した私のスプーン!URBAN OLE ECOPARK のウェブサイトなどにも掲載されている完成作品がとても綺麗だったものの、完成するまでは素人の私にはこのクオリティは無理でしょう…というちょっとした諦めも。しかし実際に完成してみると予想以上の仕上がりに自分でもびっくり!こんな素敵なものが自分の手でつくれるなんて感無量です。
ちょっとした傷やデコボコは残っているけれど、それがかえってよかったり。どんなスプーンよりも自分の手に馴染む気さえしてきます。
なんだかもったいなくて使うのに躊躇してしまいますが、手間と時間をかけてつくったスプーン。ずっと大切にできそうです。
日々使う道具を手作りする
時間や手間をかけるものへの憧れはあるものの、なかなか実践する余裕がなかったり、タイミングがなかったりで、手作りの道具や木工というものが自分とは遠い存在だと思っていました。でも実際にやってみると、楽しいしなんだか癒されるし、出来上がったものへの愛着の湧き方が想像以上でした。
これはハマってしまう予感…。次は何を作ろうかと楽しみな自分がいます。
URBAN OLE ECOPARKには他にも様々な手作りキットが用意されています。木を使った一輪挿しや魚釣りゲーム、お札立てなどなど気になるものがたくさん。是非一度ウェブサイトを覗いてみてください。
ウェブサイト:URBAN OLE ECOPARK
たまにのお手入れは蜜ロウワックスで
付属の蜜ロウワックスは小さなケースに入れられた少量のものですが、スプーンの仕上げに使用する程度だと少し余ることも。これは是非取っておいて、作った木製のカトラリーなどのお手入れに使ってください。
はっ水効果があるので、汚れやシミの予防にもなり、木製品が長持ちするようになりますし、ツヤが復活して見た目もキレイに。手をかけてあげることでさらに愛着も湧きそうです。
木製品のシミには 「塗り直しメンテナンスセット」がおすすめ
木でつくったカトラリーやお皿は、大切に使っていても水シミができたり油汚れがついてしまうことがあります。そんな時は小川耕太郎∞百合子社の「塗り直しメンテナンスセット」がおすすめ。
ミストデワックスを吹き付けて→耐水サンドペーパーで磨いて→蜜ロウワックスで仕上げ、のステップで木製品が蘇ります。
使い方がわからない時にもオンラインでのサポートがあるから安心です。是非こちらもご覧ください!⇨ https://mitsurouwaxshop.com/products/list?category_id=81
(文 : 本澤結香)
尾鷲市九鬼町にある書店「トンガ坂文庫」店主。長野県松本市出身。大学進学を機に上京の後、2017年に尾鷲市に移住。2018年に古本と新刊本を扱うトンガ坂文庫をオープンした。