人が集まる玄関とは?VOL.2

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||| 面白いコトが好きな人、集合!

  みんなでDIYを学ぶ



柔軟なアイディアや情報を交換し、オフィス環境を共有することで生まれる相乗効果が注目を浴びる「コワーキングスペース」。今では空き家対策の一環としても注目されています。


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「我楽田工房ギャラリー」のすぐ隣にあった元印刷工場


VOL.1でご紹介したボノ(株)さんがオープンさせた「我楽田工房ギャラリー」のすぐ隣のビル1階にあった印刷工場が閉業し、ボノさんがこちらの物件も借りることになったのは2018年のこと。3つの掃き出し窓がある元印刷工場の空間を活かし、こちらもほぼ素人でリノベーション。「これからの事業は、自社だけでなく、コワーキング的に色々な人がはいってもらいたい」。IT企業の未来を見据え、近年増えているコワーキングスペースとして、「我楽田長屋」をオープンすることとなりました。

最近はこのようなスタイルでリノベされる方も増えていることから、小川社の代表
小川耕太郎がボノ(株)横山代表取締役にお話しを伺いにいきました。




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写真左:ボノ(株)の代表取締役社長 横山さん / 写真右:小川耕太郎



我楽田長屋へのリノベーションを実行するにあたり、神田川アートブロッサムの建築士の一人、カナデラボ一級建築時事務所(以下カナデラボ) 金谷聡史さんが加わることに。金谷さんは子どもを保育園に送迎する際によく我楽田ギャラリーに立ち寄って夢を語っていたそうです。




カナデラボ金谷さんはさらに、に知人である「旅する大工」伊藤智寿さんを呼び、みんなでDIYを学びながらワークショップ形式でリノベーションを進めることになりました。個性的な顔が集まる中、柔軟なアイディアや情報を交換しながら生まれる空間をイメージしていきました。



話がそれますが、私(本澤)が運営するトンガ坂文庫も、みんなでアイディアを出しながら、自分たちの手でDIYでリノベーションを行ったお店です。


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DIYで作った書店「トンガ坂文庫」。床板は小川社の木もちeデッキ(杉赤身勝ち)を使用。


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リノベーション前のトンガ坂文庫

内装デザインをする知人、内装工事のほとんどを請け負ってくれる友人、店を運営する私たち、とそれぞれの立場から見た理想や現実的な問題を話し合い、実際の工事が始まってからも少しずつ修正しながら工事を進めます。作業はとても大変なものでしたが、愛着を持てることなども含め、DIYリノベーションの醍醐味も味わうことができました。




関わる人が多くなるほど、持ち寄られるアイディアも豊富になり、その後も引き続きその場所に関わり続けたいと思う人が増えることで、「生きた」空間であり続けられるように思います。そういった意味で、参加者を募ってイベントとしてDIYを行った我楽田長屋は、末長く多くの人に愛される素晴らしいスタートを切ったと言えるのではないでしょうか。




||| 3つの玄関をつなぐウッドデッキ+木の窓

金谷さんは通りに向けた3つの掃き出し窓を「3つの玄関」として生かし、通りからみても何か気配を感じ、オープンで入りやすい外観を設計しました。


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リノベーション前


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リノベーション後 コワーキングスペースとしてオープンした「我楽田工房」

比較してみると一目瞭然。エントランスにウッドデッキ、窓枠に木をつかうことで、親しみやすさや入りやすさがぐっと改善しました。小川社は、ビッグサイトなど人工的な空間でおこなうイベントの際にも、木もちeデッキだけでブースをつくると驚くほど人が入ってきます。人は本能的に自然のものに惹かれる傾向がある、というのは経験からも確かなもののように思います。

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木もちeデッキでつくった展示ブース

我楽田長屋をつくる際にも、自然の温もりを取り入れるという意味で「ウッドデッキをつくりたい」と相談された小川耕太郎は、床下の高さがとれないことから、栗材の木もちe-デッキをお薦めさせていただきました。



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   ▲栗のウッドデッキの施工例





ウッドデッキといえば、小川社でも売上No.1である杉の赤身勝ちを使うことが多いのですが、床下の高さがとれない場所では通気性が低いため、腐りやすいという欠点があります。それに対して、国産のハードウッドである栗材は粘りがあって堅固。湿気や害虫にも強く、国産材の中でも耐朽性が高いことで知られ、線路の枕木や豪雪地域の合掌造りの外部の柱などにも使われるほどです。

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▲画像左:合掌づくり 画像右:アマゾンでの森林火災(ジャーナル日経新聞よりhttps://www.nikkeyshimbun.jp/2019/190914-23brasil.html


また、海外のハードウッド伐採が森林火災問題や環境問題を引き起こしている一因ともいわれ、ここ数年、国産栗のウッドデッキが見直されています。我楽田長屋のように床下の高さが取れない場所や風通しの悪い場所、革靴やピンヒールのお客様を迎える店舗などには、栗材の木もちe-デッキが適しているのです。






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ウッドデッキでの青空ランチ

ウッドデッキには、緊張をほぐしながらやんわり結束させる力も。様々な人が出入りするコワーキングスペースにはぴったりです。



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ウッドデッキでのミーティング

開放的なオープンエアーでのミーティングで、より柔軟なアイディアが出てきそうです。




||| 窓ガラスを透明に、シンボルツリーを植樹。—入りやすい玄関に—

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印刷工場時代は擦りガラスだったものを、透明なガラスに変更


中がよく見えて「面白いことをやっていそう」な雰囲気が通りがかりの人にも伝わりやすい玄関になりました。つい覗いてみたくなります。文字通り「透明性」のあるコワーキングスペースには様々な人が出入りし、オープンイノベーションが活発に進みそうです。



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入り口に植樹されたシンボルツリー

生きた樹木が植えられたことで、より温かい雰囲気が加わりました。IT企業というとドライで冷たい印象のある企業もあるように思いますが、シンボルツリーからはボノさん(我楽田工房の運営会社)らしい温かな温度感が伝わってくるようです。



||| DIYを通して人と人がつながる

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ウッドデッキはワークショップ形式のDIY

「旅する大工のDIY講座
– ウッドデッキ&シェルフをつくろう」というイベントを立ち上げ、旅する大工
伊藤智寿さんを講師に迎えて参加者を募集。みんなで
DIYを学びながらウッドデッキとシェルフをつくり上げました。
夜には「旅する大工の作業台BAR」と題し、伊藤さんを囲むBARイベントを開催。参加者のみなさんや、伊藤さんの仕事仲間の建築関係の方々などが集まり、お酒や食事を楽しんだそうです。




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DIYでつくった間仕切りのシェルフ


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我楽田工房のオフィス


内装もカナデラボ一の金谷さんの設計。イベントで制作したシェルフは空間を区切る間仕切りとなり、奥のスペースは我楽田工房のオフィス、通りに面した部分はクリエーターが活躍する場として、シェアオフィス兼ショーウィンドウ的に使われています、





||| ディスプレー壁面に生まれ変わったウッドデッキの端材


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レンガのような壁面は、ウッドデッキの端材でつくられました

雰囲気のある、栗材でつくったウッドレンガのような壁があります。これはみんなで栗のデッキを作る際に出てしまった端材を活かし、新たなカタチに生まれ変わったもの。ウッドデッキのように板と板の間に感覚を開けて張る、いわゆる目透かしをとっているため、そのスキマぶ板を挟むことでディスプレイ棚になるというアイディアモノ。工夫次第で様々な使い方ができます。





||| 地域のランドマーク的存在へ


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様々な人が集う「スクランブル交差点」のような我楽田長屋

我楽田ギャラリーと我楽田長屋は、早稲田大学周辺のランドマーク的存在になったようです。工場地帯だった以前はフォークリフトしか通らなかった道は、今や早稲田大学生の通学路や保育園児の散歩コースにもなっています。また時には、地域のコミュニティースペースの場として解放され、イベント会場にもなります。単なるシェアオフィスではなく、街の人達がこの建物をずっと気にかけている様子が伺えます。



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約2年後の木もちeデッキ(栗)だんだんとシルバーグレー色に変わってきます。街とオフィスをつなぐ縁側のようなファザードがいい感じです。

DIYによるリノベーションを導入したことで、常に人があつまり何かをしている様子がみえること。これは街の人や我楽田長屋に関わろうと思う人たちににとって、「入りやすい」「話しやすい」「アイディアがでやすい」場づくりの秘訣だったように思います。結果的にこのリノベにより、我楽田長屋を運営するボノさんの広告効果もあったようです。

急速な人口減少が進む中、「エコ建材」を扱う小川社は、今後はどのように「国産の木」を提案していくのか手探りの状態です。DIYリノベーションにより生まれたコワーキングスペースならではの、思いもよらない木づかいには学ぶものが多くありました。「建築を建てない建築家」というキーワードが話題になっていますが、今ある空き家という資源から、限られた予算で最大限の効果引き出せたのは「人と人のつながり」というエネルギーではないかと思います。(文:小川百合子 / リライト:本澤結香)






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小川百合子(おがわ・ゆりこ)

小川耕太郎∞百合子社 取締役。1998年、山一證券が倒産した年に、夫婦で会社を起業。地域の生物資源と産業(技)と自然が循環できることをコンセプトとした持続可能な商品づくりをし第一弾が「未晒し蜜ロウワックス」。主な仕事は持続可能な商品の一般化のためのPRを担当(小さな会社なので何でも屋ですが、、、)


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本澤結香(ほんざわ・ゆか)

尾鷲市九鬼町にある書店「トンガ坂文庫」店主。長野県松本市出身。大学進学を機に上京の後、2017年に尾鷲市に移住。2018年に古本と新刊本を扱うトンガ坂文庫をオープンさせた。





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・我楽田工房 https://garakuta.tokyo/

・ボノ株式会社https://bono.co.jp/

・カナデラボ一級建築士事務所 http://kanadelabo.mystrikingly.com/

・旅する大工いとうともひさhttp://itoutomohisa.jp/

・トンガ坂文庫https://www.tongazakabun.co/

・小川耕太郎WOODSELECT https://mitsurouwax.com/woodselect/

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