2020.01.24
[第18期]「遊びから学ぶのではなく、遊びだからこそ学ぶ —僕らのあそび場づくり–山育・木育・おわせ行くNO.2—道をつくる
宮之上小学校3年生14名、サポート役の大人は15名参加しています。小山ハウスの森田さんは終始ニコニコと優しい笑顔ですが、子ども達の安全はしっかりと確認しながら見守っています。このようにプロのガイドの仕事を間近に見ることは、大人にとっても発見が多くありました。
今回のプロジェクトは単なる体験学習ではありません。体験を通して子ども達自身が氣づき、発見することによってワクワクする気持ちが膨らみます。そんな時、子ども達は驚くほどの「情熱」と「集中力」を発揮します。
これは物事を達成するときに大切な力となります。そのためには、大人が子ども達をじっと見守る。そんな過程を大切にしたプロジェクトです。
立木の育成状況を知るために計測する作業がありました。小学3年生の身長で、立木を巻き尺で測る作業は難しい様子ですが、その過程を大人はゆっくりと見守るようにとの指示がありました。
▲道なき道をのぼり作業をする子ども達
▲桧と杉の見分け方の説明を受ける
僕らのあそび場をつくるためには、まずは道の整備が必要です。グループごとに朽木や石を道なき道から取り除いていきますが、誤って石が落ちてしまった場合は大きな声で知らせるなど、作業と同時にまわりの人達の安全への配慮についても学んでいきます。
各グループ内で自発的に役割分担がうまれています。
小山ハウスの森田さんや尾鷲藪漕隊の方々は「自分の身は自分で守る」という感覚の大切さを子ども達との会話の中で話されており流石!と思いました。
子どもも大人も「連れて行ってもらっている」という意識では
大切なことが置き去りになってしまいます。今回のプロジェク
トは「安全に対するセンス」を育むことにつながるようにも感じました。
具体例の一つとして、山では声の届かない場合もありますが、
そのような時には共通した動作を決めサインを送って知らせるなどの指導がありました。
ようやく整備された道ができました!
尾鷲の小学生は、遠足で熊野古道をあるくことが多いかと思いますが、このような体験を通して、道を整備していてくれる人の存在に氣づくかもしれません。
これから5回にわたり間伐や遊び場を作り、子供たちが自発的に遊びを考え、実践していく予定です。登山道と違い、急峻な山道を歩くのは子供たちにとっては初体験でした。
皆、楽しんだようで今後も楽しみにしています。夏休みには小学生が三重大学の学生に学んだことを教えることになっています。夏休みには指導者になる子供たちは真剣に学んでいました。
尾鷲は林業で栄えた町ですが、子供たちも山に入ることがなくなり、尾鷲桧はどのように生えているのかも知らないままこの町を出ていくことがほとんどかと思われます。1回限りの体験ではなく、継続的に体験し、他の人にもその様子を話すことができるようになってくれるとうれしい限りです。
(小川耕太郎∞百合子社 藤井大造)
↓↓↓小山ハウスが取り組む学童保育「放課後寺子屋」にて
**番外編**が記載されています♪
[企画・運営]尾鷲市
[協力団体]
・小山ハウス ・尾鷲藪漕隊・三重大学地域創世戦略企画室・三重大学自然環境リテラシークラブ・尾鷲市政策調整課・尾鷲市教育委員会・三重県農林水産事務所・森林組合おわせ・熊野古道センター 他
[協賛]
毎年、このような取り組みにご支援できるのも、小川耕太郎∞百合子社の商品をお買い上げいただく皆様のお陰です。皆様には心より感謝を申し上げます。また陰ながら支えてくださる仕事仲間やスタッフとそのご家族の方々にも心よりお礼を申し上げます。
※このプロジェクトは産官学民連携プロジェクトにより実施しています。[産]の一つとして安藤財団の2019年度トムソーヤスクール企画コンテストに応募し、厳正な審査の結果支援50団体にノミネートされました。http://www.shizen-taiken.com/contest2019/select50f.html
2019年12月、安藤スポーツ食文化財団第18回「トムソーヤスクール企画コンテスト」で推奨モデル特別賞に選ばれました。http://www.ando-zaidan.jp/html/tom_nr2019.pdf