2017.07.15
どうして未晒し蜜ロウワックスは黄色なの??
(橘 ちひろ 以下 橘)
蜜ロウワックス、缶のふたを開けてみる。
これって蜜ロウの色だよね。
蜜ロウの色って花粉の色?
蜜ロウワックスのパッケージには「未晒し」って書いてある・・・。
小川耕太郎百合子社の百合子さんに質問してみました。
(橘)蜜ロウはどうやってつくられるのですか?
(百)六角形のミツバチの巣みたことありますか?
ミツバチの巣は「蜜ロウ」からできています。
(橘)ミツバチが蜜ロウをつくるの?
(百)そうです。
巣づくりを担当する働き蜂達は、
自分のお腹あたりにある分泌腺からウロコ状のロウを分泌します。
ミツバチはハチミツを食べて働くので、
ハチミツ10gを食べたとすると、約1gのロウを分泌します。
そのウロコ状のロウをガムのように
噛み続けると唾液と混ぜ合わせ蜜ロウという物質ができます。
(橘)蜜ロウの黄色はハチミツの色ではなく、自ら分泌したロウの色なんですね。
(百)蜜ロウは、ミツバチによってつくられるので、
ミツバチが採蜜する場所によっても色がかわります。
特に影響するのがミツバチが集める花の蜜や花粉です。
季節や採蜜する場所により花が変わるので、
蜜ロウの色「黄色」も微妙にちがいます。
あと、エゴマ油も黄金色なので
黄色っぽい色がでるのかな?
(橘)へぇ!地域やお花によって違うんですね。興味深いです!
(橘)百合子さん、蜜ロウをとるためにミツバチのお家を壊してしまうのですか?
(百)ちょっとちがうな。
養蜂家とミツバチは持ち持たれつつの共存関係を保つために
共に暮らしていけるよう工夫しています。
写真をみてください。
ミツバチの巣の巣箱の中には「巣板」という木の枠がいれています。
ミツバチは、子どもが沢山生まれる前に沢山の巣をつくります。
時にはこの木枠からはみでて巣をつくってしまうことがあります。
それを「ムダ巣」と呼び
蜜ロウワックスの原料として回収します。
▲ムダ巣
他にもハチミツを絞るときに蜜蓋などを外しますので
それらのロウも回収します。
▲蜜蓋を取り除く
(橘)なるほど。ところで蜜ロウワックスのパッケージには
「未晒し」って書いてありますが、これはどういう意味ですか?
(百)「蜜ロウ」には白いものと黄色いものがあります。
白いものは日光で晒すか
また、薬品などで漂白をしています。
口紅や軟膏などの原料は白い蜜ロウを
つかうことが多いです。
蜜ロウワックスの場合は、
木製品に使うことを目的としていますので
薬品などで漂白しなくても大丈夫なので
晒布をつかい数回にわけゴミなどを取り除いた
黄色い蜜ロウをつかいます。
(橘)わぁ!なるほど、それで「未晒し」!
あの優しい黄色は天然に近い証拠なのですね。
ミツバチさんたちの地道な作業、
作る人たちの地道な努力の上でナチュラルな
蜜ロウがとれるんですね。
貴重な蜜ロウワックス、大切に使わないと!
百合子さんありがとうございました!
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