2017.04.05

2017年3月14日付 紀勢新聞 豊かな海を目指して—尾鷲市と紀北町で広葉樹植樹—

20170314紀勢新聞.jpgゆたな海を目指して—-尾鷲市と紀北町で広葉樹植樹

 

◎◎以下2017314日付け 紀勢新聞より転載◎◎

 

尾鷲市で11日、紀北町で12日、豊かな海づくりを目指した植樹が行われた。いずれも15年以上続く活動で、参加した人たちは木々の成長と豊かな海を願って取り組んだ。

 

 

行野浦市有林に100

尾鷲市では、行野浦の市有林で第15回「海と山をむすぶ漁民の森づくり」があり、45人が参加して広葉樹100本を植樹した。「豊かな海づくりは森林づくりから」を合言葉に、漁業関係者の呼びかけで平成13年から毎年3月に行われる。

 

 

コナラとヤマモモ、ケヤキだけでなく、新たに成長の早い落葉高木のセンダンを25本ずつ用意し、九木峠と健康とゆとりの森の展望台の中間にある市有林の伐採地約6アールに植えた。

 

作業には、主催者の尾鷲漁業組合2人、尾鷲養殖組合7人など漁業関係者10人、J-POWERグループ24人のほか、岩田昭人市長以下市職員6人、苗木や獣害防止ネットを寄付した小川耕太郎∞百合子社2人と尾鷲ロータリークラブ3人が参加した。

 

 

事前に設置した鹿よけの獣害防止ネットの中、1メートル間隔でクワをつかって穴を掘り、背丈50センチ前後の苗木を植えていった。その後、夏場に生い茂る雑草と見分けるためにピンク色の目印を脇に立てた。

 

 

最後に、合言葉の大量旗を背に、参加者全員で記念撮影を行った。尾鷲養殖組合の中村浩久会長(52歳)は「山から流れてくる栄養ある水が海を潤すので、微力ではあるが、少しずつでも力になっていきたい」と話した。

 

始めて参加した賀田小5年の小川結さん(11)は「花壇とは違って、木の根が絡まって掘るのが難しかったけど楽しかった」と笑顔をみせた。

 

 

下川内へ130本補植

 

紀北町は、山と海をつなぐ会(中野博樹会長)とギョルメクラブ事業協同組合が、十須の下河内山林へ落葉樹の苗木130本を植樹した。

 

 

豊かな海を育むことを目的に、中野会長の父、故・幸雄さんの遺志を継いで18年前から植樹活動を続けており、下河内への植樹は今年で16年目。県やみえ熊野古道商工会、赤羽川漁協、燈籠祭実行委員会、平野組、第三銀行労働組合紀州南紀支部など、町内外の約50人が参加した。

 

植樹を進めているのは赤羽川支流・鍛冶屋又川沿いにある約1?の共同私有林で、この日植えた苗木は、クヌギ、コナラ、ミズナラ、イロハモミジの4種類、高さ1~2メートル。陽当りがよすぎて木が育ちにくい北側の約50アールに、鹿の食害にも遭いにくい大き目の苗木を植えたもので、急斜面に散らばっていた参加者たちは足場を固めて穴を掘り、一本一本丁寧に植え付けた。

 

 

昨年入行し、初めて参加した第三銀行尾鷲支店の林亜佳奈さんは「木が植えわってない山も見かけるので、木を植えることは大切だと思う。昨年植えた木が育っていると聞いており、無事に育つように思いを込めた。自分が植えた木が育っているのかも確認したいので、来年も参加したい」と話していた。

 

 

事業費は約20万円で、会費や中野会長らの寄付で賄われ、昼には主催者からフグや伊勢海老、スルメイカ、渡り牡蠣などを具とする大敷汁が振る舞われた。

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