2012.05.24

2012年5月24日付 下野新聞 母を亡くした小5の阿部君 建設手伝い笑顔戻る

2012525下野新聞.jpg

 

【日光】震災ボランティア団体「チーム日光」が宮城県南三陸町の仮設住宅敷地内に建設、23日に引き渡しを行った「竪穴住居」型集会所造りに、熱心に取り組んだ地元小学生がいる。同仮設に暮らす伊里前小5年の阿部誉生君(10)。津波で母親祐子さん=当時(43)=を亡くし、祖母琴子さん(72)にはふさぎ込んでいるようにみえた誉生君だったが、作業を通した団体メンバーとの触れ合いで笑顔を取り戻した。

 

祐子さんは同町職員で、東日本大震災当日は防災対策庁舎にいた。同庁舎は、住民に避難を呼び掛け続けた女性職員が津波の犠牲となり、被災のシンボルともなっている。

 

家を流され避難所にいた琴子さんたち。数日後、行方不明者名簿に祐子さんの名前を見つけた。誉生君は夜、布団の中で声を殺して泣いていたという。

 

3カ月後、祐子さんが遺体で見つかった。葬儀で誉生君は泣いた。人前で泣いたのはこのときだけという。

 

「変わった建物がある。おじちゃんとお姉ちゃんもいる」。誉生君が、仮設のすぐ近くで始まった集会所建設に参加するようになったのは12月ごろ。毎朝5時前に起きて宿題をすませ、6時に出向く。習い事が詰まっている放課後も通った。

 


2012年5月24日 下野新聞より転載


◆災害復興支援

 小川耕太郎∞百合子社ではその地の人と暮らしを支えてきた山や自然に目を向け、支援活動を行っています。2011年-2014年にかけボランティア団体「チーム日光」に支援させていただきました。以下チーム日光の活動がメディア掲載されましたのでご報告させていただきます。


◆詳細 東日本大震災復興支援の活動報告ブログ「チーム日光のキセキ」をご覧ください。

記事一覧を見る