2011.05.09

2011年5月9日付 河北新聞にチーム日光の活動が掲載されました。

津波で壊滅的な被害を受けた宮城県南三陸町歌津の海辺の集落を、町の高台に移す計画が住民主導で動き始めた。中心となるのは江戸中期から続く地元の住民互助組織「伊里前契約会」。契約会は400から500戸以上の住宅建設が可能な20ヘクタール余の共有地を供出することで、災害に強い新たなまちづくりにつなげたい考えだ。



共有地は歌津中の北側に広がる山林や田畑。津波被害を免れた同中より標高が高い。海岸から車で5から10分と近く、漁師がこれまで通り漁業を続けることも可能という。



1693年の発足とされる契約会は現在、歌津・伊里前地区の77戸で構成する。うち74戸が津波で壊滅的被害を受け、会員世帯の13人が死亡・行方不明となった。



会では被災当初から、共有地に集落で移住する構想が浮上。4月中旬に総会を開き、構想の実現に向け正式に動きだした。



5月5日には役員らが歌津中に集まり、どれだけの宅地が造成できるかを地図上で確認。道路などに用地の2割を割いても、1戸当たり300平方メートルの宅地が約400から500戸分確保できることが分かった。



会は今後、共有地付近に点在する個人所有の土地約40区画の地権者に構想を説明。これら地権者も海辺の自宅を津波で失った人が多いことから、新たなまちに一緒に移り住むことを提案する。



歌津・伊里前地区は会員以外も含めて約420世帯。大半が被災しており、会は地区全体の世帯を新たなまちで受け入れることも視野に入れる。



実現への課題は多額の費用が見込まれる造成費の調達。高低差が大きいため、ライフライン整備も難航が予想される。



会は共有地を無償で供出する代わりに、国などに造成費の工面を求める方針で、既に県や町にも考えを伝えた。



会の千葉正海会長(55)は「前例のない災害には、前例のない発想のまちづくりが必要。国にも前例のない規模の支援を願いたい」と期待。「二度と津波災害に遭わない安全なまちをつくるため、ご先祖さまが残してくれた土地を生かしたい」と意気込む。



契約会は冠婚葬祭の相互協力や共有地の管理運営が主な事業。かつては雑木を燃料にしたり、木材を共同で販売するなどしていた。

(大泉大介)————-2011年5月9日河北新聞より転載——

 


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◆災害復興支援

 小川耕太郎∞百合子社ではその地の人と暮らしを支えてきた山や自然に目を向け、支援活動を行っています。2011年-2014年にかけボランティア団体「チーム日光」に支援させていただきました。以下チーム日光の活動がメディア掲載されましたのでご報告させていただきます。

◆詳細 東日本大震災復興支援の活動報告ブログ「チーム日光のキセキ」をご覧ください。

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