2014.09.19

2014年9月19日付 中日新聞くろしお版「伝統和紙の発信に奮闘–アルバニア人学生 イスマイリさん—

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中日新聞くろしお版(2014年9月19日付)「伝統和紙の発信に奮闘–アルバニア人学生 イスマイリさん尾鷲の自然製品会社で就業体験—


尾鷲商工会議所長期実践型インターシップ事業によ小川耕太郎∞百合子社がインターン生としてアルバニア人の大学生を受け入れ、彼女の就業体験が取材されました。

—–以下転載—

日本最高級の和紙を尾鷲から世界へー。アルバニア国籍の女子大学生ドナ・イスマイリさん(20)が7月から8月までの二ヶ月間、尾鷲市賀田町の自然製品販売会社「小川耕太郎∞百合子社」でインターシップ(就業体験)をした。和紙販売などに力を入れる同社と職人の想いを伝えようと、H.Pでの情報発信に向けて奮闘した。


イスマイリさんは5歳のときにアルバニアから日本に移住。高校卒業まで津市で育ち、現在は英国の大学で文化人類学を学んでいる。三ヶ月半という夏休みを有効に使おうと考えていたところ、インターネットで尾鷲商工会議所が就業体験を募集していると知り、応募した。


受け入れ先の同社で与えられた課題は、人間国宝の9代目岩野市兵衛さん(80)がつくる耐久性の高い和紙「草木灰越前生漉奉書」を海外に売り込むこと。手間がかかるため効果で買い手が少ない。伝統のある和紙を広めるのに一役買えばと同社は2009年から販売している。


イスマイリさんは新入社員と協力し、和紙の情報を収集。和紙がふすまに使われている京都府の桂離宮を訪れたり、岩野さんに会ったりして破れにくい和紙の性質、込められた思いを知った。作品につかう写真家の講演にも足を運んだ。

海外に伝える基盤となるHP作成では、2人の意見が衝突し明け方まで議論したことも。完成は間近で、和紙の特徴や職人の精神、同社の和紙販売への思いを紹介する。

今後は小川社の新入社員と電話などで連絡をとり、HPの完成を目指す。イスマイリさんは「2人で考えながら動くことで、思い立ったら迷わず行動することの大切さを学んだ。時間をかけて質の高いものを作る日本の職人の思いと技術に、興味を持つ人が増えてくれればうれしいと期待を込めた。



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