2014.09.07

リフォーム産業新聞2007—地域住民と一緒に木を守る— しぜんな自然派家造り (執筆)

「リフォーム産業新聞」に、小川耕太郎が親しくしている自然派の家造りを手がける工務店やメーカーを取材し執筆した『しぜんな自然派家造り』を2006年9月から月一回にわたり10回連載。

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リフォーム産業新聞2007—地域住民と一緒に木を守る— しぜんな自然派家造り

 

 

 

山弘(ヤマヒロ)は前身の製材業から数えて来年で創業50年目を迎える建設会社である。製材所を営んでいた頃と先代が病気で入院された頃の2度経営不振に陥ったこともあったが、その仕事ぶりを評価する地方の方々から支援を受け何とか仕事を続けてこられた。リフォームを始めたのは30年前で、当時リフォーム仕事は「ゴゾ仕事」といわれ職人さんがいやがることが多かったそうだ。しかし、地域の方々からの支援があったからこそ現代の山弘があり、その地域に「直し」を求めている方々がいるのならと人の嫌がる仕事を続けてきたのである。そして今では、兵庫県西播地域に5営業所を持つ会社へ発展している。

 

 

 

 

私共とは、2003年に次男、三渡保典さんから天然木材保護材の資料請求をいただいてからのおつきあいになる。何回かおじゃましているが「地域を大切にし、地域に根ざしている会社」だなといつも感じている。それは保典さんとの何気ない会話でも感じることができる。

 

 

 

たとえば、今は長引く木材不況の影響で、自分で製材すり遥かに安い木材が簡単に手に入る。つい先日私が訪れた材木市場にもそんな「換金のための材」がたくさんでていた。会社の利益を考えたらそのような材を使うことは当然のことである。しかし、地域の製材業者が次々と廃業し、山が手入れをされず荒れていくのを見て、地域の製材業者が次々と廃業し、山が手入れをされず荒れていくのを見て、地域の方々と一緒になって協同組合「しそうの森の木」という組合を作り、地域の木を生かし、地域の自然環境や産業を守ろうと努力しているのである。

 

 

 

多くの方々に支えて頂いた「感謝の気持ち」があるからこそ、山弘は「地域と地域に住む方々に貢献する」にはどうすればよいのかというところから仕事を考えている。そのことが地域の方々に伝わっているから地域にとって必要な会社としてどんな苦境にたっても応援してもらええるのである。

 

 

私は毎年何十件という会社を訪ね歩いているが、山弘ほど地域を大切にしている会社は無いように思う。これからまた50年続いて欲しい会社だと思うし、私の会社も同じように地域から愛される会社になりたいと思う次第である。(文:小川耕太郎∞百合子社 小川耕太郎

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