カモシカの巣立ち

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「カモシカ」

山の中で人間に出会った動物は、大抵一目散に逃げていくが、カモシカだけはそうでもない。ある程度の距離があれば、こちらの様子をじっと眺めていることが多い。

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カモシカは体色に個体差があり、グレーや茶色ならいいが、黒い生き物がこちらをうかがっている気配を感じると、一瞬クマではないかとドキッとする。鉈や鋸で雑木を切り倒したり、チェンソーの目研ぎをするのを、立ち止まって口をモゴモゴ反芻させながら興味深げに眺めている。カモシカの「寒立ち」というらしい。

カモシカは特別天然記念物のため、いまは不法だが、昔は手ぬぐいを振り回したりドジョウすくいの踊りなどをし、その動作に見入っているカモシカの背後に相方が忍び寄って仕留めるという猟法があったらしい。
カモシカにドジョウすくいを初めて試した猟師もどうかと思うが、いまはカモシカの目も肥えて、「本能寺の変」くらい踊れないと見物してもらえないかもしれない。
(竹村)