木名峠狼煙場跡(キナトウゲ ノリシバ アト)in尾鷲市三木浦

noroshi.jpg木名峠狼煙場跡(キナトウゲ ノリシバ アト」(尾鷲市三木浦)

「なでしこジャパン」の決勝は残念だったが、ネットでの試合速報にこんなのがあった。「4点を追う前半27分、MF川澄のクロスを受けたFW大儀見が力強いターンから左足一閃! ゴール左上へ見事に突き刺し反撃ののろしをあげる・・・」


スポーツニュースや新聞とかでよく見かける「反撃ののろし」とか「復活ののろし」。のろしを漢字で表記すると「狼煙」になる。これは、狼の糞を混入して燃やすと、煙が多量に出てまっすぐ上がり風にも強いため、古代中国で用いられていたことが由来のようだ。狼に限らず、肉食動物のそれはタンパク質の変化で酸化窒素となり、よく燃えよく煙を出す性質になるらしい。

木名峠狼煙場(きなとうげのろしば)は、江戸時代の寛永年間(1624?1644)にはすでに設置さ
れていたらしい。当時の鎖国制で海上の異国船を発見した際に、近隣の浦村へ急を知らすためや、次の岬の狼煙場へとリレーする目的で狼煙を上げた。各狼煙場では、狼糞三升五合?五升、青松葉60貫を蓄える決まりになっていたというが、いくら江戸時代でも日本狼からの頂戴物をそんなに集められるわけもなく、色々と混ぜものしたようだ。

狼煙は人馬よりもずっと早く遠く情報を伝達する。世に有名な川中島の戦い、上杉謙信の着陣を37里(約145キロ)離れた甲府の武田信玄に伝えた狼煙の所要は2時間。ある実験では、大阪から尾道までの250キロを29ヶ所の中継で1時間58分、新幹線に10分勝利したそうだ。(文:竹村)