2014.12.11
雨水を逃し、風通しの良い手すり—手すりの施工ポイント—
手すりの張り方には、(1)クロス式、(2)たて格子、(3)横張りフェンスなどがあります。
▲サンドイッチ工法で、地面から立ち上げた支柱と支柱間に手すりを取り付けた方が、構造がすっきりし安定もするのでお勧めです。
束の上に90角を横引きする大引工法は、床上から支柱を継ぐ構成のため、支柱のぐらつきや床板と支柱の接触部の不安があります。
2階バルコニーなどでも、支柱を床下から1本で立ち上げるようにしてください。支柱と床板の取り合いは、多少の隙間を確保し、雨水を逃がすように施工してください。
デッキの施工全般にいえることですが、雨水を逃がして滞留させず、風通しをよくすることに留意してください。
また、(1)クロス式や(2)たて格子などで取り付ける笠木部(140×40、105×30(mm))は、ビス穴や支柱との接触部に雨水が滞留しやすく、気をつけてほしい箇所です。笠木の天端から支柱にビス留めするのが一般的ですが、
▲写真例のように、笠木板をL字金物で下支えする方法もお勧めです。ビスを下から留めることで笠木の表面もすっきりし、支柱と笠木板間の隙間も取れるので耐久面で優れています。また笠木上や笠木ジョイント部に金属製カバーを付けて保護する施工法もあります。
以下にそれぞれの施工法の特徴や施工ポイントについてご紹介します。
(1)クロス式
▲X字にクロス材(105×30、90×40(mm)など)を張る方法で、コスト面からもお勧めの工法です。クロス材同士や支柱との接触部はビスや接合金具で留めるようにし、ホゾや欠き加工は絶対にしないでください。クロス材の下受けに横木を通す場合は、床板に直付けせず、必ず浮かして、水切りと通風を確保してください。横木も同じく、ビスや金物で取り付けます。
(2)たて格子
▲格子材には60×30(mm)材や40×40(mm)材などを使用します。下受け材とともに、上側の横木を通して格子材を留めれば、笠木の天端にビス穴を残さずにすみます。四角の木枠に格子まで作り込んだ後、支柱間に木枠ごとはめ込む方法もあります。下受け材を床下に直付けしたりせずに、支柱や格子との取付けはビスや接合金具で留めます。
▲写真ではL字金具を使用し、横木と支柱間に隙間をとって雨水が抜けるように工夫しています。
(3)横張りフェンス
横張り用の板材は、幅は90、105、120、140(mm)、厚みは15、18、20(mm)などが適しています。節ありの特一材が一般的ですが、独立したフェンス材などでは、節のほとんど見られない上小節材などもすっきりとした見栄えになります。横張り板は目隠し材としても有効ですが、少なくとも10mm程度の隙間はとって、風通しを確保してください。