2014.08.13

岩野市兵衛家全体が技術者であることに気が付いた—–2014年8月7日インターン生EDJONA ISMAILIのサポート役 原吉輝の日報より—–


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20140807_hara_iwano02.jpg昨日は、岩野市兵衛さんの紙漉工房へ

見学へいきました。

いろいろなお話を伺っていく中で、
質問をしにいくというよりも
自分たちの憶測。
きっと、こう?なんじゃないのか?
というすり合わせの部分がおおきかったです。
まず、話を聞いて一番納得したことというのが、
1つは越前和紙というものは現在は、
那須楮というものを使われていますが、
昔は越前楮をつかっていたということ。



2つ目は、現在はソーダ灰を使っているのですが
昔は、よもぎや蕎麦のソーダ灰を
使用していたということ。


3つ目は、水が軟水であること。
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なにがいいたいのかというと、
越前和紙はそこの地域を豊にして
然的にも金銭的にもきれいに循環
していたということが伺えます。

越前楮とい、楮を栽培する農家さんがいて
して蕎麦を作る農家さんがいて
越前そばを作る職人さんがいて、
その余ったものを草木灰にするかたがいて、
または、植林された木下に生える
よもぎを刈り取って
山を整備するついでにヨモギをとる。
それを草木灰にして奉書を作る原料にする
そして流通して
外からお金を引っ張ってきて豊かになる。
すごくきれいで循環もしていると思いました。



けれども今は、
少しづつ壊れていて
すでに那須楮という越前とははずれているものが
使用されています。
まだ日本の中のものだからいいとは
言えないのですが
これが、輸入物を使うとなったらどうなるのか?
輸入がいけないとはいわないのですが、
品質的にやはり落ちているといっていました。
岩野さんはいっていました

輸入物を使ってソーダ灰を
つかってやればもっと利益を出せるといっていました。
けれども、そういうことじゃないといってました。
利益を出すために働いている訳ではないと。
お客さんに頼まれた仕事だったら、
んでもするといってました。
それは、納得のいく仕事をきちんとする職人
しての言葉だと思います。
お客さんが望むなら
その仕事についてきちんと向き合う。
苛性ソーダを使ってほしいといわれれば、
使うともいっていました
自分の中での出来上がりとしては
あまり芳しくはありませんが・・・・とも・・・・


いま、職人としてのという言葉が出てきました。
僕は職人というのは頑固一徹罵声が
トンでということをそうぞうしていました。
けれども岩野さん岩野市兵衛さんの家で
はまったくもってちがいました
岩野家では怒鳴ることもないししかることもない、
ただただ、家のことを手伝っていく感覚だそうです。
そういう状態の途中にアドバイスを
ただ付け加えていくそうです。
一緒に生活して家のことを手伝って、
父親の仕事などをみて学び
そのようにして長い年月をかけて子供
または、孫が技術を身につけていく
ということがわかりました。

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家族全体で、
岩野市兵衛ブランドとして
来上がっているということがよくわかりました。
岩野市兵衛さんだけが、
技術者なのではなくて
家全体が技術者であるのだなということを理解し、
初めて自分に身に付いた価値観となりました。

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