2021.09.22
開発に10年超!こだわりと熱意の結晶 “ミストデワックス”
1本あれば家中のお掃除ができる蜜ロウミストデワックス。安全でシンプルな原料で、お子さんやペットのいるご家庭、肌が敏感な方など様々な方に選ばれています。
しかし、しっかりと汚れを落とすことと商品の安全性を両立させるには様々な壁があったといい、商品開発に要した時間はなんと10年超!肌が弱かったりアトピーやアレルギーに悩む人でも安心して使えるものを作りたい、という強い意志のもとで開発された、こだわりと熱意の詰まった特別な商品なのです。
原料はたったの3つ
家庭用の洗剤などの原料には一般的に界面活性剤やアルコールなどが使われていますが、蜜ロウミストデワックスは、蜜ロウ、エゴマ油、アルカリ水という食品にも使われる原料のみで作られています。アレルギーが心配な人も、蜜ロウとエゴマ油の2つのパッチテストをクリアするだけで安心して使うことができます。
また、シックハウス症候群や化学物質過敏症の原因となるVOC(揮発性有機化合物)も一切含まれておらず、その点でも安心です。
汚れ落としのキモはアルカリ水
こんなにシンプルな原料なのに、家中キレイにできちゃうなんてちょっと不思議!でもその秘密はアルカリ水にありました。
アルカリ水には水酸化物イオン(OH−)が含まれています。OH−の分子はとても小さいため、汚れと汚れの間に入り込み、汚れをゆるませて結合します。あとは雑巾や布で拭き取ればキレイになるという仕組み。
蜜ロウミストデワックスで使われるアルカリ水は電気分解だけで作られたもので、コンビニのおにぎりやおでんの出汁などにも使われ、口に入れても問題のないアルカリ水です。しかも汚れと結合することですぐに中性に戻るので、肌や対象材にもダメージを与えません。そのまま肌に塗っても問題ないくらいなのです。
こちらの動画では、アルカリ性のミストデワックスが汚れと結合することによって中性に変化する様子をみることができます。
お掃除に使うアルカリ性のものといえば、重曹を思い浮かべる方も多いかと思います。水に重曹を溶かしたものも勿論アルカリ性の水で汚れもよく落としますが、こちらは水にアルカリ物質を入れてアルカリ性にしているため、無垢材など自然素材につかうと無垢材などに使うと変色してしまう可能性があり注意が必要です。
蜜ロウミストデワックスの場合は、無垢材、コルク、畳他 自然素材につかっても変色変質しづらく、こういった素材にも向いています。
※アルミや漆、鏡面仕上げのものには使用できません。詳細はカタログをご覧ください。
ヒントは食品加工の技術にあった!
水と油と蜜ロウを混ぜるには?
原料の3つを改めてみてみると、水と油とロウ成分。これはちょっと想像しただけでも簡単には混ざり合いそうにありません。ここに界面活性剤などをいれることで比較的簡単に混ぜることができるそうなのですが、誰にでも安全な商品を作るために界面活性剤は使えません。
ここでも活用したのが食品加工の技術でした。長い時間をかけて特殊な攪拌(かくはん)をすることで、3つの原料が混ざり合い、安定的に乳化している状態をつくることができたのだそうです。
ただし、蜜ロウミストデワックスは水道水で希釈して使用する製品で、地域によって水道水に微量に含まれる不純物やPHが異なるため、希釈後は2週間以内で使い切ることをおすすめしています。
スプレー容器を長く使うために
実は私も知らなかったのですが、スプレー容器の噴射口をオンのままにしておくと(ズボラな私はいつもそうしていました…)中の液体がノズルの中に残ったままになってしまうそうなのです。蜜ロウミストデワックスは原料を混ぜたり溶かしたりするための成分が入っていないため、どうしてもノズルの中に残ったロウ成分が固まってしまうことがあります。そうすると中が詰まってしまうので、使用後は必ず噴射口を「オフ」にしてください。
気温が低くなるとより固まりやすくなってしまうのですが、もし固まってしまっても、スプレーノズルを42〜60度程度のお湯に浸け、写真のようにお湯を噴射するときれいに詰まりが取れます。(火傷にご注意ください)
「みんなに安全」をかなえるために
商品の開発をはじめた頃は、アトピーやアレルギーの問題は少しずつ認知されはじめたものの、まだまだ世の中の理解が追いついていない状況だったといいます。
そんな中「みんなに安全」を目指して作られた蜜ロウミストデワックスは、人間だけでなく、ペットや環境にも優しいホームクリーナーワックスとして、ますます今の時代に合った商品だと言えるのではないでしょうか。
アトピーやアレルギーをお持ちの方はもちろん、一般的な洗剤では手が荒れてしまうという方にも、自信を持っておすすめしています。
蜜ロウミストデワックス→https://mitsurouwax.com/mistdewax/
(文 : 本澤結香)
尾鷲市九鬼町にある書店「トンガ坂文庫」店主。長野県松本市出身。大学進学を機に上京の後、2017年に尾鷲市に移住。2018年に古本と新刊本を扱うトンガ坂文庫をオープンした。