ありのままの姿を写し彫る—心庵まほろぼ—

ありのままの姿を写し彫る—心庵まほろぼ—

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一年前になるだろうか?犬を連れ海岸に散歩したとき、偶然に松木さんの作品を知りました。地元の公民館で松木真俊さんの個展が開催されており、ありのままに描写された木彫は、どこかイギリスの画家ターナ-の描く世界を思わせる、大気、光、雲などの描写から自然の巨大なエネルギーを描いているそんな印象を受けました。残念ながら、開催終了日の片づけの時間だったので、ゆっくりみられませんでした。

 

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今年の一月に尾鷲市の天満壮で松木さんの個展があり、家族でみにいきました。そのときに松木さんから

「僕は自然素材を使った建築をやっていたので、蜜ロウワックスを使っていたんですよ。」

と声をかけていただきました。

 

 

そんなことが縁で、松木さんが生涯をかけて彫る木彫活動 「心庵まほろぼ」について工房へお話を聞きに伺いました。

 

 

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 cafe 天満荘 (大正14年に建てられた建物)

 

 

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▲ 自然工房バオバブ   床は蜜ロウワックス仕上げ

 

————-自然素材を使った建築「自然工房 バオバブ」をされている松木真澄さんは、6年前に三重県菰野町で建てる建築を請け負っていたため、三重県尾鷲市に移住されました————————

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菰野町の建築の仕事を終えたとき、体調を崩し、数年間ほとんど外にでれなかったんですよ。そんな中「こういう状況でも自分にできることをやろう」と考えていたときに「彫刻」との出会いがありました。「でも何を彫ればいいのだろう」と創作のテーマを求めていたときに、食べれないときに食べれれる幸せを切実に感じました。瞬間に「食をテーマに彫ろう」とビビっときました。

 

 

 

まずは本物に一番近い素材探しから試行錯誤した。作品を彫る際には自我や作為があってはならない。神様がつくった造形をありのままに写し彫りたい。そこには自我が入る余地が無い。木は彫ってみないとどういう状態か見れないでしょ、だから彫っている最中に「これはちょっとモチーフと素材があってない」と思ったものは全部燃やしました。「うん?これは心がはいっていない」と思ったものも同様です。

 

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———松木さんの作品は、木材の虫食いとか腐りなどが、モチーフに息吹を与えていることがありますよね————————–

 

傷んでいた柿の方が生命力を感じるな~というのはちょっとした遊び心なんですよ。でもねそれも彫る木材との出会いなので、逆に傷んだ柿を表現する方が難しいですよね。

 

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建築をやっていたころから蜜ロウワックスを使っていたので、尾鷲に移住したとき、真っ先に小川さんのところへいって蜜ロウワックスを買いました。尾鷲ヒノキの彫刻は、蜜ロウワックスを塗布しています。

針葉樹に塗ると、ワックスが浸透し、時間が経つと飴色になりいい感じになっていくんですよ。 

 

————針葉樹を彫ってみて、難しいところなどありますか———

 

 

 

若いヒノキは、枝打ちをしているから彫ってみないと節がみえないでしょ。針葉樹はどんなに乾燥しても割れやすい。逆に広葉樹などは硬木になればなるほど割れにくい。

 

 

だから針葉樹を彫るときは覚悟がいる。完成しておいたらヒビがでてくる。こればかりは計算できませんから。

 

 

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「荒彫り完了、ノミから彫刻刃に持ち替えてひたすら彫っていく、心を入れなければ良い物が出来ない、くよくよ考えていてもしょうがない成せばなる成さねばならぬ、気持ちを切り替えて頑張ろう。(心庵まほろぼfacebookより抜粋)」

 

 

 

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———落ち葉の作品は、あれだけ薄くて湾曲のラインがあると大変じゃなかったですか————

 

 

たいていのお客様は「曲げたのですか」と聞かれます。広葉樹は曲げることができないから、この彫刻を彫るためにはかなり大きな材から彫ってこの形になっていく。

 

例えば、熟練された職人さんが仏像をノミで彫るとき、墨をつけたりはしません。なぜなら頭の中で、彫る工程が見えているから、自然と鑿(ノミ)が動くのです。それが出来ないうちは手が止まる。

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私は彫る前にモチーフの形をじっと観察し、ざっくり荒彫りしてから、ひたすら彫刻刀をつかっています。彫刻を持つ手より彫る木材を持つ手の方が力は入ります。やっとゴールがみ落ち葉のような薄いモチーフは、やっとゴールがみえたときにパキッと割れることもあります。

 

 

ちょっとくらいなら接着剤で修正もできるでしょうが・・・。モチーフをもう一度観る。そこにはそういった割れた形はない。作為があってしまうと、不思議と人にも伝心してしまいますから「ごめんね」といって燃やしてしまうのです。

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———————–大変な作業ですね——————————

 

 

う?ん。でも病気になったからこそ、できたんだと思っています。 

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▲松木さんの作品は一部を除き、触って作品を鑑賞することができます。

 

 

 

 

 

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三重県紀北町 魚まちたまり場(旧マルヒ食堂)

「「心庵まほろぼ」で彫られた作品のテーマは「食材」です。私達が普段食べている魚、野菜、果物などの海の幸、山の幸などを原寸大で手彫りしています。(松木真澄さんfacebookより抜粋) 

 

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海産物は、海の世界の多様な生態によりはぐくまれ、漁師さんに捕獲され、人に調理され、私たちのカラダに入っていく。野菜は、農家さんが丹精込めて育て、自然の見えない力によって成長し、やがて私たちの口に入っていく。

 

 

 

はじめて松木さんの作品をみたとき、どこかターナの描く世界に通じるものを感じたのは、松木さんの彫刻にはありのままの姿を通して「みえない力」を感じさせるものがあったからじゃないかと思いました。松木さんの彫る姿勢はどこか禅の世界を感じるものがありました。

 

 

————平常心是道 (へいじょうしんぜどう)————

人生に近道なし。平常心とは、当たり前のことを大切に育む日々が平常心。

  

————–無事是貴人 (ぶじこれきじん) ————–

 なにもしないでいいですよ、今のままで。純粋な人間性、一人になった時だけに会える素敵なあなた。

 

 

 

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松木真俊(まつき・まさとし) 

 

 

 

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