2021.06.16

地球に優しいお掃除、そしてお洗濯

お掃除ロボットの進化や掃除機の小型化・高性能化をはじめ、お掃除を取り巻く環境が日々進化している中、みなさんはどのようなお掃除をされているでしょうか。

毎日しっかりと掃除機をかける、雑巾掛けをする、忙しいので週に一度時間を取って家中をお掃除するなど、スタイルも様々なことかと思います。

お掃除において「はやく」「効率よく」というのはとても重要な要素ですが、「環境への負荷」という視点を持つとどうでしょうか。毎日環境について考え続けることは大変ですが、ほんの少しの習慣の見直しで、日々のお掃除が少し地球に優しいものになります。

ほうきでお掃除してみる

掃除機はもちろん便利だけれど、フィルターの掃除や紙パックの交換、中のゴミ捨ては意外と面倒なもの。そこでわたしが最近好きになったのが、ほうきでのお掃除です。今更何を…?と思う方もいるかもしれないのですが、今まで掃除機でのお掃除がメインだった私にとって、大袈裟でなく感動的な出会いだったのです。

愛用しているのはこの三点。
シュロのほうき大・小、そして小さな「はりみ」という、柿渋を塗った和紙を貼り合わせてつくったちりとり。どれも重くないし、コンパクトに壁掛けができるので置き場所にも困りません。

掃除機が入らない細かい場所のお掃除

冷蔵庫と棚の間や、床に置いたものの隙間など、掃除機やフローリングワイパーではなかなかお掃除しづらい場所も家の中にはたくさん。でもほうきを使えば狭い場所や部屋の角など、とてもスムーズにゴミを掃き出すことができるのです!当たり前のことなのですが、実際にほうきに持ち替えてみると、その小回りが効く便利さに感動。あまり広くない我が家では、ほうきの方がむしろ便利かもしれません。

ドアのガラスの枠のでっぱり。意外とホコリがたまります。今までは見て見ぬフリをしていたこんな場所も、床の掃き掃除のついでに、ササッとほうきでホコリを払います。

ミストデワックスをプラスする

これは小川耕太郎∞百合子社の小川百合子さんに教えていただいたのですが、ほうきにワンプッシュ ミストデワックスを吹きかけてお掃除をすると、掃き掃除と拭き掃除の間くらいのお掃除ができてとっても便利!
ホコリや小さなゴミを絡めとりながら、床にはほんのり自然なツヤをプラス。ゴミを取り除いてからフローリングワイパーや雑巾に持ち替えて…というのが面倒な時には一石二鳥です。

ミストデワックスと専用スプレー(別売り)

電気を使わない便利さ

ほうきはもちろん電気を使いませんから、ほんの僅かではあるものの、家庭の電力消費を抑えることにもなります。また、停電や災害時には電源なしで使えて重宝しそうです。

自然素材でできたほうきであれば、針金をほどいて分別すれば自然に返すこともできます。技術の進化はめざましいものがありますが、一周回ってアナログなものが一番使い勝手が良い、ということも結構ありそうです。

使い捨てをやめてみる

フローリングワイパーにつけるシート、今まではつい楽ちんな使い捨てのものを使っていました。でも一回使ってゴミ箱にぽいっとするのは、少し気が引ける。そこで、最近は繰り返し使える布製のものを利用するようになりました。

目の細かい布は汚れもよく落ちる

まずおすすめなのは、もう着なくなってしまった綿Tシャツ。生地の目が細かいので汚れもよく落ちます。

普段使うフローリングワイパーのサイズに合わせてカットして使用。汚れたら洗って何度でも使えます。Tシャツ一枚すベてカットしてストックしておくと便利です。

竹のマイクロファイバー

よくあるマイクロファイバーも汚れはよく落ちますが、化学繊維でできているものがほとんど。同じマイクロファイバーでも、できれば竹などの自然素材でできたマイクロファイバーをおすすめしています。

細かい繊維が床などの凸凹にも入り込み、汚れを絡めとってくれます。そして頑固な汚れにはミストデワックスを!吹きかけた後にマイクロファイバーで拭き取ることで、キレイに落とすことができます。

細かい繊維クズのゆくえ

マイクロファイバーなどの細かい繊維は汚れを落とすのには大変重宝しますし、洗って繰り返し使用することで、脱・使い捨てにもなります。

でもその「細かい繊維」、排水から海や川へ流れ込みんで汚染に繋がってしまっているって知っていましたか?

特に化繊のマイクロファイバーは、最近話題の「マイクロプラスチック」として、目に見えない海洋汚染を生んでしまっています。化繊は自然分解されないため、半永久的に海洋を漂いながら、魚介類の体に取り込まれ、やがて私たち人間の身体にも影響を及ぼします。

このままでは2050年までに海中のプラスチックの重量は魚の重量を超えると予測する調査も。
https://www.businessinsider.jp/post-577

繊維の流出を抑える専用洗濯ネット

日々の洗濯が海中のプラスチックを増やしていただなんて、どうすれば…。となってしまいますが、頼もしい味方も。

繊維クズの流出を防ぐ洗濯ネット
大きめの目のネットと細かいネットの二重構造。外側に繊維クズがたまります。ジップも衣類を入れる用と繊維クズを取り出す用の二種類。

洗濯時に必ず発生してしまう繊維クズをキャッチしてくれる洗濯ネットが、現在いくつかのメーカーから発売されています。
洗濯時の繊維クズの流出を防いでくれ、さらにお洋服へのダメージからも守ってくれます。普通の洗濯ネットと比べると多少高価ではあるものの、何年も使えますし、環境への配慮ができ、そして「ものと永くつきあう」ためのアイテムとしてもおすすめできます。

小川耕太郎∞百合子社の商品は、その効果はもちろん、環境への負荷をできる限り抑え、さらには商品の生産も、そして環境も持続可能であることを基準に作られています。

お掃除やお洗濯は毎日のことだからこそ、未来のことを考えた選択をすることがスタンダードになると良いですね。

(文 : 本澤結香)
尾鷲市九鬼町にある書店「トンガ坂文庫」店主。長野県松本市出身。大学進学を機に上京の後、2017年に尾鷲市に移住。2018年に古本と新刊本を扱うトンガ坂文庫をオープンした。

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