2024.08.23
松林に囲まれた エネルギー会社の環境対応型Lab
7月24日、ENEOS Xplora株式会社(※1)様が新潟県胎内市に建てられた「中条共創の森オープンイノベーションラボ」の見学に行ってきた。
同社は、胎内市内で原油・天然ガスの生産を行っているが、その事業とともに環境対応事業を創出し、地域との共生、大学・環境先進企業・ベンチャー企業・行政等との協業を行う拠点としての建物だ。本建物の設計監理は、株式会社キー・オペレーション一級建築士事務所と株式会社パーク・コーポレーションからなる設計共同体が行い、施工は省エネ建築の実績が多い、株式会社池田組が執り行ったとのこと。
海岸沿いの松林が続く土地に木造で建てられ、周りの民家に合わせて切妻の屋根、外壁はウッドロングエコ仕上げの木の羽目板でできている。エネルギー消費を抑えるために太陽光発電・風力発電・地中熱ヒートポンプを利用し、ZEB認証(建築物省エネルギー認証)を取得し、ドイツ発祥の環境認証「パッシブハウス」の認証取得も目指しているそうだ。
当日は、朝から雨が降り続き、私が現地に到着した時には激しい雨が降っていた。一通りENEOS Xplora様が取り組んでいる環境対策・革新的技術の説明を受け、「中条共創の森オープンイノベーションラボ」の建物内部を見せていただき、外部撮影のために外に出ると嘘のように晴れ間がのぞき始め、傘を差さずに全体の撮影をすることができた。
周りの松林と調和する建物は、外付けブラインド、パーゴラなどによって光をうまく調節しながら取り入れ、ウッドデッキには足湯を楽しめるスペースもあった。建物の周りを一周できる遊歩道があり、木の外壁にとても合う植栽がされている。アジサイが満開だったことに驚いた。尾鷲だと5月ころから咲き始めるので、7月のアジサイは見たことがなかった。
再び中に戻り、各部屋を隈なく見せていただいた。外壁と同じウッドロングエコ仕上げの内装が落ち着きを感じさせる。ミーティングに使用される部屋、和室、外の景色がきれいにみられるロフト、足湯スペースなど、その時の気分、打ち合わせの人数などによって場所を変えられる。社員の方々も、自分の好きなスペースにパソコンを持ち込み、気持ちよさそうに仕事をされていた。
小川耕太郎∞百合子社もこういう風にできたらなとうらやましく感じた。まあそれは今後考えましょう。2時間ほど見学をさせていただいたが、本当に快適な空間だった。当日、出迎えていただいた門澤所長、松崎様、ご説明頂いた小久保様に感謝申し上げます。
※1
訪問時は社名がJX石油開発株式会社でしたが、2025 年 1 月 1 日付でENEOS Xplora株式会社に変更予定とのことです。
文:㈲小川耕太郎∞百合子社 小川耕太郎
1961年生まれ。三重県尾鷲市出身。早稲田大学卒業後、不動産業、住宅メーカーに就き、30歳を機にUターンし家業の製材所を手伝う。1998年小川耕太郎∞百合子社を起業。未晒し蜜ロウワックスをはじめ、生態に負荷をかけないエコ建材の開発及び販売をする。