2023.05.22
施主同士で「塗装作業のシェア」をする
手を動かし、口を動かし、塗装をする。
ミムクラフト の設計は、建物や庭だけでなく、家具などもすべてオーダーメイドで設計するため、引き渡しまでに1年半程度かかります。ある意味、家を設計し建てるという仕事は、その家庭の門出とライフスタイルの変化をずっとひきうける仕事ではないでしょうか。施主様にとっても設計士にとっても、長いおつきあいがはじまるのでしょう。
ミムクラフトで設計した住まいの「木部の塗装」は、施主様が塗ります。
塗装作業は地域の製材所で行います。施主様同士がお手伝いにいったり、手伝いにきたりするうちに、お互いに情報交換をしたり、完成後の見学へいくなど自然な交流がうまれるそうです。


「家を建てようかな~」とボンヤリ考えている人も、塗装作業のお手伝いならば、家を建てている最中の施主さんや設計士さんともお喋りができ、地域の木の家の敷居が低くなるのではないでしょうか。
ウッドロングエコは、「土壌汚染対策法(環境省)」で指定される有害物質の検出なし

ウッドロングエコは、土壌や水質も汚染しない安全性が評判となり、環境問題に関心をもつ人たちからクチコミで広がった商品です。
「土壌汚染対策法(環境省)」で指定される有害物質の検出もない証明書をWEBで公開しています。
また、安全性の中でも最も厳しい基準の「淡水魚毒性試験」でも、ミジンコやニジマスに対して毒性がないことがわかり、WEBにて公開中です。
造作家具や収納家具の塗装作業もシェア
内装につかわれる、造作家具や収納家具の塗装も、施主様とミムクラフトのスタッフが一緒にぬります。手を動かしながら、口も動かすというゆるい雰囲気が、これから木の家を建てる施主同士やスタッフとのコミュニケーションの場になっているそうです。
造作家具や収納家具の塗装は蜜ロウワックスです。
みんなで塗ればコストもさげられ、筋肉痛も共有し(笑)、家づくりという「つくる過程」をプチ参加することで、後々の思い出になっていくのでしょう。

小川社の蜜ロウワックスは、化学物質過敏症やアレルギー反応をもつ方々やペットを飼っている方でも安心してつかえるように原料を吟味しています。
蜜ロウワックスは食べ物ではないですが、食品分析センターでも分析し、安全面の確認をしています。
また、建築試験センターによる揮発性有機化合物(VOC)7物質と総揮製有機化合物(TVOC)計9物質の検査した結果、安全面の確認がされています。
造作家具や収納家具なども設計もMade in宮崎

ミムクラフトでは、プランニングから家のすべての設計(建物の設計だけでなく、家具や収納も設計するため細やかな図面も含む)は、代表の徳留 学さんが1棟につき100枚近くの図面をひいています。
共同代表の徳永美穂さんは、自身も主婦として、施主が聞きづらいだろうなと思うことや、家事導線のお話などをオープンハウスにいらっしゃる方々にお話しして、設計事務所の敷居を低く、設計の大切さをつたえられます。住まいを建てる工程で、地鎮祭、上棟式、ウッドロングエコ塗り、蜜蝋ワックス塗り等施主様とお会いする際に、いろいろとお話するそうです。
私、小川百合子は個人的に美保さんのインスタのファンです。彼女が綴る、日々の暮らしの積み重ねと、施主様の何気ない会話を重ねている様子がインスタからうかがえ、「なるほど!」と勝手に親近感を抱いています。確かに、私自身も結婚して今の仕事に就いたので、そうでなかったら「無垢の家は敷居が高い!」「設計事務所も敷居が高い!」と思い込んだと思います。
小川社が扱う、ウッドロングエコも蜜ロウワックスも、これから無垢の家を建てる人やリノベーションする人が、主な対象の商品です。それこそ、25年前は地域材で家を建てる人はまれであり、起業当初は「どう伝えれば無垢の家に関心をもってもらえるか」と常に考えていましたが(汗)表現がガチガチでした。美保さんが書く肩ひじはらない文章は、スーッとはいり自然体な人柄がみえます。
神は細部に宿る

たとえば、上の画像にある洗面所のタオル掛けも、代表の徳永 学さんが図面をひいた特注です。
よく「神は細部に宿る」といいますが、この言葉を有名にしたのは、ドイツのモダニズム建築家であるミース・ファン・デル・ローエ(1886年-1969年)であると言われています。ちょっとしたことでも手を抜かない。小さなことであっても納得いくまでつきつめていく。その姿勢ひとつで仕事に人生に「神」が宿り、開かれていくという意味をもちます。
建築物はどうしても外観に目がいきがちですが、「外観はシンプルに、しかし、人が住みやすいような構造に隅々までこだわる」という、設計事務所でありながらどこかクラフト的な姿勢が、ミムクラフトの設計する家なんだろうと思います。
(つづく)

