2019.06.19

2019年6月19日付 紀勢新聞—あそび場づくりに作業着寄贈 児童の森林体験を民間支援

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2019619日付 紀勢新聞より以下転載

 

 

内装材や木材加工製品、蜜ロウワックスなどを販売している尾鷲市賀田町の「小川耕太郎∞百合子社」は、児童の作業用つなぎ15着と地下足袋14足(11万円相当)を市に贈った。市有林を活用した森林体験プログラムで着用する。18日、宮之上小学校で贈呈式があった。

 

 

 

森林体験プログラムは「僕らのあそび場づくり山育・木育・おわせ行く」と題して、市内の小学生を対象に始める。子ども達が世界遺産、日本農業遺産のある森の中で自らのあそび場をつくる過程を通して、生きる力などの危機管理能力を身に着けさせるのが目的。併せて、同プログラムの内容を確保し、市外へ発信していく。

 

 

 

その第一回が20日に八鬼山山麓の市有林であり、同校の3年生14人が市水産農林課市有林係職員を講師に、山に入る作業道をあらける体験をする。総合的な学習の時間を使って10月までに5回の実習があり、木に触れる木育講習、ロープワーク、フィールドワーク、フィールド遊びなどを体験するほか、自然での危機管理なども学ぶ。

 

 

 

森林環境保全などの力をいれる同社は、社会貢献事業として売り上げの一部から寄付を続けている。市有林への広葉樹を植える苗木代などの寄付は10年になり、近年は山林保護活動団体などに尾鷲トレイル整備推進、セルフレスキューの充実のための装備、資材も贈っている。

 

 

 

作業用のつなぎはアウトドア用品の製造販売メーカーの品。サイズは一律。地下足袋は児童用のサイズにあわせて人数分を用意した。贈呈式ですぐに水色のつなぎに袖を通した児童は普段とは違う格好にうれしそうで、第一回の実習を楽しみにしている様子だった。

 

 

 

贈呈式に出席した小川耕太郎代表は「山とか自然に触れることが少なくなっているので、子ども達にそういうところで楽しんでもらいたい。今回は山だが海でも自然体験をしてもらえたらいい」と期待。企画を含めて体験プログラムの全体を統括する世話人の小山ハウス寺子屋の森田渉さんは「安全面からも寄付がなければできなかった」と同社の寄付に感謝していた。

 

 

 

森林体験プログラムは今後、希望があれば他行でも実施していく。つなぎと地下足袋は市が保管するが、同社はその都度不足分を補う形で寄付をしていく。

 

 

企画した魅力発信担当の芝山有朋調整監は「尾鷲市の魅力の一つにして、よそへも発信していきたい」と話した。

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