2019.07.11
用の美 ”薪ストーブがある家”
やっと巡り合えた。
何年も土地を探した。
そこは 空が広かった。
大山(ダイセン)がみえた。
子ども達は のびのび芝生庭で遊ぶ
家の中を縦横斜めにグルグルまわる
薪ストーブは抜群に暖かい
畑から夏野菜を収穫した。
日々の暮らしをひとつひとつ楽しむ。
やっぱりおうちがいいね。
(webサイト SUMIKA しらいし設計室さま掲載サイトより抜粋)
https://mitsurouwax.com/cont02/
SUMIKAというWEBサイトの中で、写真上の建物の外壁に弊社の扱っているウッドロングエコを使われたことを知りました。そこに書かれていた文章が印象的だったのでしらいし設計室さんに連絡をとりました。しらいし設計室さんの施工写真をじっくりみるとその土地の可能性や気候等が暮らしと繋がっていることがみえます。
用の美を兼ねる、玄関の薪置き場。
まずは玄関から。
車を停め、玄関に向かうと、右手には、この家のラウンドマークかのような薪置き場があり、家族みんなが薪の在庫を確認できます。そして左手の引き戸をあけると、サッカーボールやら、自転車なども収納できる大きな納戸があります。
鳥取の冬は、日照時間が短く、シベリア高気圧から日本にむけて持続的に冷たい北西風が吹き付けるため、丁寧な断熱と薪ストーブ一台で効率よく温められる設計はとても重要だそうです。エントランスデザインのような薪置き場は、用の美を兼ねています。
土地のもつ環境や風土、
なにより物語を大切にした設計プラン
隣り合う家の窓の位置まで模型化されている写真を拝見したときに、しらいし設計室さんの言葉の端々からみえるこだわりを感じました。
『私たちは「土地のもつ環境や風土、なにより物語を大切にした設計プランを提案」するために土地の力をできるだけシンプルに引き出すために何度も現場に立ち、プランニングを繰り返します(談:しらいし設計・白石博昭さま)』
玄関をはいり右側の引き戸をあけると
LDKの空間が広がり、心地よい自然光と風が通り抜け開放的な気持ちにさせてくれます。よくみるとオレンジのポールがあります。このポールを登って2階へもいけます。子ども達がはしゃいでよじ登る姿が目に浮かぶかのようです。
キッチンからはウッドデッキや芝生で遊んでいる子ども達がみえ、ウッドデッキは、アウトリビングにもアウトキッチンにもつかえます。
和室の横には家庭菜園用のスペースがあり、収穫した野菜はウッドデッキの横にある水道で洗い、春には筍焼き、秋には焼き芋などウッドデッキでバーベキューが楽しめます。

外壁とウッドデッキにはウッドロングエコが塗布されています。しらいし設計室さんにウッドロングエコを選んだ理由をお尋ねしました。
「この家の場合は、自然素材の木に好みの色をキープするよりは、外壁が赤褐色→茶褐色→グレーに変化する自然な経年をえらびました」
庭木は大きく繁み、ウッドロングエコを塗布した外壁の経年と溶け合い、存在感のある外観になっています。
リビングを通り和室の障子をあけると庭木がみえ、低い窓からは家庭菜園がみえます。玄関上にあるベランダからは、西日本最大級のブナの自然林をもつ「大山」がみえます。
いつからか借景は空気のような存在に変わり、近辺の自然と自分がつながり、自然環境も家も暮らしも自分も単体として存在するものではないこと気づくのではないでしょうか。
長く住み続けた先に、そんな「気づき」がある家はなんとなく自然体で心地よい。その なんとなく が 白石さんが大切にされている
「土地のもつ環境や風土、なにより物語を大切にした設計」だと思いました。
【ウッドロングエコと人 NO.14】タイトル:用の美”薪ストーブがある家”(文:小川耕太郎∞百合子社 小川百合子)