2014.09.07

リフォーム産業新聞 2007年6月12日付 No.785●しぜんな自然派家造り  第9回想いが伝わる材木屋編(執筆)

「リフォーム産業新聞」に、小川耕太郎が親しくしている自然派の家造りを手がける工務店やメーカーを取材し執筆した『しぜんな自然派家造り』を2006年9月から月一回にわたり10回連載。20070612rifo.jpgリフォーム産業新聞 2007612日付 No.785

 

●しぜんな自然派家造り第9回想いが伝わる材木屋編

 

—ホームページから滲み出る社長の人となり—

 

 

今回は木村木材工業(埼玉県鴻巣市)さんをご紹介したいと思います。木の切り出しからプレカット、枠材・造作類の製造販売まで手がける材木業者さんです。

 

窓枠に使う塗料のことで木村さんからお問合せを頂いてからのお付き合いで、共同で展示会に出展する仲なのですが、私はいつも木村さんのホームページを見て感心し、嫉妬してしまいます。ホームページは会社を知ってもらうために今では欠かせないもののひとつですが、こんなホームページが作れたらうちももっと伸びるのにと思うのですが‥‥。

 

山林部は秋田から静岡までの山で杉・桧の切り出しを行い、製材所に直送している東日本で一番大きな会社です。

 

プレカット部は一本一本曲がりを確認しながら加工しています。材の癖を見て使い勝手を決めることは昔の棟梁なら誰でもやっていたことです。乾燥材が当たり前になって癖を見なくて良いように思われていますが、どんなに乾燥した材でも木には癖があり、その癖が出てきます。材をどちら向きに使うか確認しながら機械に投入することは実は大切なことで、何年か経って違いが明確に出てきます。

 

造作材工場は材料一本から注文を受けてくれます。材の加工形状の要望にも応えてくれます。単価も明確です。

 

ホームページを開き、やっている仕事の簡単な説明を読むだけで、この会社が手間隙を惜しまず、お客様のことを考えていることがわかります。ブログも開いていただければ、この会社の方針、社会に対する考え方、お客様への対応、そして何よりも社長の人となりが見えてきます。

 

「朝3時20分にお客様から20枚のファックスが来ました‥‥。早速対応しなければ。」

 

ブログに書かれていた文章の抜粋です。木村さんは朝早く一番に出社して仕事の段取りをしています。この日はさすがにいつもより早く出社していたようですが、朝3時20分の問い合わせにすぐ返事が来たら質問したほうがビックリしてしまうでしょう。

 

今、いろんな会社がホームページを使って自社のことを知ってもらおうと努力しています。もちろん私どももそうです。しかし、ホームページで本当に信頼していただけるようになることは、そう容易なことではありません。どんな美辞麗句を並べても本当かどうかはきっと真剣に見ている方にはわかってしまうのです。木村さんのホームページ、毎日のブログの積み重ねを見ていただければそのことがお分かりいただけると思います。

 

 でも、信頼されるホームページの作り方や書き方、積み重ねの大切さがわかっても、真似できないんですよねコレが‥‥。


文:小川耕太郎∞百合子社 小川百合子

 

記事一覧を見る