小川耕太郎百合子社

和紙の原料[那須楮]を煮熱する時に使う[灰]は草木灰。手間を惜しまず、楮の繊維を最大に生かす作業にこだわり、驚きの強さと耐久性をもつ奉書を作り続ける岩野家の仕事。

草木灰  越前生漉奉書  本藍染めの漉き返し作業

市兵衛さん曰く、「難しい。厚さが判らん。」白い越前奉書なら透け具合で紙の厚さが判るそうですが、今回は藍を強くしてもらったため、「黒」に近く、紙が透けないため、何度も確認しながらの作業となり、夕方までかけてやっと57枚の漉き返しができました。

漉き返し作業

▲市兵衛さんの奉書は、本藍染めめの工房で本藍染をします。 [藍につけ→乾かすこの作業を約15回ほど繰り返し、ようやく染まります。そのため、和紙自体に強度がないとできません。

▲藍に染めた和紙が届きます。染めた奉書を再度溶かします。

▲漉き返し作業。濃藍にするには、このくらい濃い液の中で厚さを揃えた紙を漉きます。

▲漉きあがった紙一枚一枚重ね合わせ、重みをかけゆっくり水分をだします。

▲雄イチョウの板に貼ります。

▲室でゆっくり乾燥させます。

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翌日は、朝から乾燥の工程に入ります。このようにイチョウの板に一枚ずつ貼り付けたものを、室に入れゆっくり乾燥させます。 良い紙になりますように。人間国宝の市兵衛さんでさえも「夜は緊張して眠れんかった。」と気を張った作業でした。 下の写真が完成した藍染和紙と越前奉書になります。

「ご覧下さい!!」一目瞭然、これ以上説明は要らないくらいのすばらしい出来栄えです。定期的に生漉奉書を藍で染めてもらうため、ある藍染工房にお願いしております。 正式なことが決まり次第、またご報告いたしますが、在庫が無くなりましたら、次期の販売の準備が整うまでは、お待ちいただくことになります。 つくるにも、また販売の体制を整えるにも、かなりの時間を要します。何卒ご理解を賜りますようお願いいたします。

今回、市兵衛さんの奉書を扱わせていただくことになりましたが、それは、草木灰で漉いた奉書を染め、 再度漉き返した藍染和紙を一舟分、全て弊社が買い取ることとなります。
無謀な挑戦であるかもしれませんが、桂離宮の襖に使われているほどの和紙が、現在ではほとんど需要がなく、もう何年も草木灰を使って漉かれていないことを知り、 「それだったら、使われるようにしてやろう」と決意したのです。「どこまで出来るかわかりませんが、やってやろうじゃないの。」自分に渇を入れ意気込んでいます。

作業場を見学させていただいて、その丁寧な仕事ぶりに本当に驚き、感銘を受けました。
「自然のものは、その性質のままに使わせていただく」という岩野家9代に渡って受け継がれた信念。 「もっと良いものを」と知恵と工夫を重ね、継承されていた技術、職人技だからこそだせる色と質感なのだと思います。

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