
2014年6月20日(金)に慈雲庵(和歌山県那智勝浦町井鹿にあるゲストハウス)にて「森の音楽会」が開かれた。車を止め地図を片手に細い道を10分ほど歩くと森の中に「滋雲庵ジウンアン」というゲストハウスがあった。
既に縁側にたくさんの親子でにぎわっていた。近くにある保育園の園児達は40分ほど歩いて聴きにきたとか。井鹿の町に総勢150人以上の人が集まった!

今日のプログラムでは、読み聞かせ×音楽というコラボもあり、まるで絵本の時空に入ったかのような気分だ。奏でるのは、バンドネオン(アコーディオンによく似たような楽器だが、実はパイプオルガンの代用として野外での教会の儀式などで使われていた楽器)仁詩×ギター田中庸介のデュオ。
木の家とバンドネオンとギターの音が響き合う。ふわぁーっと通り抜ける風が心地いい。リズムセッションの曲では 園児達もリズムにノリノリで、絵本にでてくるかのような、そんな「森の音楽会」でした。
この森の音楽会は、清水工務店2代目の清水弘治さんの奥様 佳恵さんが発起人となりゲストハウスのオーナー尾鷲さんの協力を得て企画された。
「たくさんの人に素晴らしい音楽を聴いてほしいなと思うのですが、夜のライブって小さな子供がいるとなかなか行けなかったり、行っても子供が騒いでしまいそうで気が気じゃなかったりしますよね。私もそんな1人です。そこで、ライブツアーで勝浦を訪れる仁詩さん田中さんに、小さなお子さんのいるママのための音楽会をお願いしました♪」
「場所は、当社(清水工務店)で建てさせていただいた井鹿の森の中の静かなゲストハウスです。お子さん向けに、絵本の読み聞かせや手遊びのコーナーもあります。ちょっとくらい子供が騒いでしまったってOKです。授乳するスペースもあります。みなさん、素敵な音楽で心を潤しましょう♪(清水佳恵)」
ゲストハウス「滋雲庵(ジウンアン)」の施主 尾鷲(オワシ)様は、10年前に那智勝浦町井鹿に移住された。「この土地に移住すると決めたとき、10年後にゲストハウスを建てるぞ!と決意したんです(尾鷲さん)」
東京から那智勝浦へ移住した尾鷲さんは、
「決意をすればね、不思議とイロイロな縁をいただいてね・・・一つ一つ事を丁寧に進めていけば、10年経つと必ず夢が叶うんですよ。」
確かに、決意するとまるでその道に進むかのように物事が動くことがある。なぜか?小川社とお付き合いしている方は、みな同じような経験をされている。
尾鷲さんの愛犬と一緒に川沿いの道を歩きながら、家を建てるまでのお話を聴いた。
「ここはね、一週間雨が降らないと川が乾いてしまうんですよね。今は乾いているけど・・・台風が通ると木々が倒れてね・・・。地主さんに許可をとって倒れた木々をユンボで動かし、道を整理しているうちに、木を譲っていただくことが多くなってね。井鹿の木を使った家を建てよう!と思ってね」
「滋雲庵の大黒柱は400mm角で樹齢130年くらいの材なんだけど・・・この木も川沿いに生息していた木を切らせていただいたんですよ」
「ほら、これが大黒柱の切株だよ。川沿いに生息していたからね、搬出するまでが大変でね、足場を組んでから伐採したんだ。川の流れにのせて搬出したんだ」
写真は、尾鷲さんの自宅から徒歩5分くらいのところにあった切株だ。
この建物を設計した清水工務店の清水弘治さんは
「構造材の6割は地元 井鹿の木で建てましたからね(清水)」
「そうだね・・・自分で木を搬出していたから、ユンボが通れる程度の距離に生息していた木で建てたかった(尾鷲)」
「でもこの道 2tトラックが入りませんよね。よくこんな大きな柱を運べましたね?(百合子)」
「道に鉄板を渡して、ギリギリ2tトラックで運びました(清水)」尾鷲さんは穏やかで自由な方ですが、その夢を建築として形で仕上げた清水工務店さんも拍手喝采!
「これだけストーリーのある家は、なかなか無いですからね。僕も職人さんも施主さんのこだわりに応えるように頑張らせていただきました(清水)」
音楽会が終わってから、尾鷲様のご自宅で昼食をいただき、食後 滋雲庵の写真を撮りにいきました。井鹿の自然と溶け合う 壮大なゲストハウスをごらんください。