みなさん、こんにちわ。今日はミツバチの紙芝居を上演します。
みなさん、ミツバチって知っているかな?
知ってる人、手を挙げて! みんなよく知っているね。
それじゃミツバチさんからもらえる甘いものってな〜んだ?
そうだね、ハチミツだね。みんなも好きだよね。
今日のお話は、紀州というところに住むミツバチのお話です。
それでは始めま〜す。
寒い冬も終わり、紀州の山も暖かくなってきました。
今年もおじさんがミツバチの巣箱を
トラックいっぱいにつんで山へやってきます。
おじさん
「ふう。もう暖かくなってきたな。桜もきれいに咲いているな。
おっ向こうの山は椿で赤く染まっているよ。
良し!このあたりならミツバチの大好きな花の蜜をいっぱいとれそうだ。
よっこらせ。さあいっぱい採っておいで!」
おじさん
「働きバチはせっせと花粉を運びハチミツをつくっているんだ。」
そうやってあのきれいなハチミツが出来るんだね。
おじさん
「そうだよ。みんなが朝の食事のパンにたっぷり塗る
甘〜いハチミツ大好きだろう。」
みつばち
「おやおや、僕たちがつくっているのは、ハチミツだけじゃないよ!」
ミツバチ
「僕ら、せっせと巣を作るんだ!その巣から蜜ロウといって
クレヨンやワックスの原料になるものが採れるんだよ。」
こども
「へ〜、ミツバチってすごいんだね。」
おじさん
「驚くのはまだ早いよ。ミツバチは大切なお仕事をしているんだよ。
みんな!甘〜い果物は好きだろう?」
おじさん
「メロンやいちご、さくらんぼ。どれが好きかな?
この果物はね、果物の花が咲く頃に、果物を育てる農家の畑に
ミツバチの巣箱を置きに行くんだ。そうするとミツバチが
果物の花粉をせっせと集めにいくんだ。
この花粉は、ミツバチの赤ちゃんの食べ物なんだよ。」
ミツバチ
「ちっちっち!それだけじゃないよ。」
ミツバチ
「僕たちは花粉を集めるとき、花粉を全部とってしまうんじゃないんだ。
ちゃんと半分残すんだよ。」
子ども
「えっどうして?」
どうしてか、わかる人いるかな?
おじさん
「残りの花粉を、めしべにつけるんだ。そうすると果物になるんだよ。
さっきでてきた果物は、自分たちで受粉ができないんだ。」
秋になって、寒くなり始めると花が少なくなってきます。
ミツバチは餌が少ないので、おじさんからご飯をもらいます。
おじさん
「おじさん達は、ミツバチが病気にならないようにいつも巣箱を
きれいにしておくんだ。ミツバチはきれい好きだからね。」
ミツバチ
「僕たちも恐いものがあるんだ。あの大きなスズメバチと恐ろしい熊なんだ。」
おじさん
「スズメバチがきたら追い出したり、熊に気をつけなくちゃ。
熊はハチミツが大好きなんだ。」
子ども
「おじさん大変なんだね。」
おじさん
「そうだよ。いっぱいすることがあって大変なんだよ。
ミツバチは大好きだからね。全然へっちゃらだよ。」
また暖かい春がやってくると、おじさんとミツバチが協力して
美味しいハチミツを、みんなに届けてくれます。
おじさん
「ミツバチが花粉を採ることで、山にある花が咲き、
実になり、それが山の動物達の貴重な餌になるんだ。
動物はその種を地面に蒔き、またそこから新しい生命が生まれる。
山は不思議でみな上手に支え合って生きるのさ」
おじさん
「山と農家さんとミツバチとおじさんは、
お互いに助け合うことによって、いろいろなコトができるんだ。」
子ども
「僕もお母さんと一緒に、床を掃除してみようかな・・・。」
おじさん
「みんなが、この床を掃除したときや歩いたときに、ふっと山に咲く花や、
ミツバチやおじさんの姿を思い出してくれると嬉しいな。」
山と農家とミツバチ